久しぶりのワクチン問題です。不在の間に、嬉しいニュースが入っていました。
全米初の「ワクチン強制法」成立で揺れているカリフォルニア州と対照的に、ほぼ同じ時期にノース・カロライナ州議会に出されていた似たような法案を、議会が「正式に」破棄してしまっていたのです。
この法案、「SB346」が出されたのは今年3月。やはり昨年12月の「ディズニーランドはしか」騒ぎの余波を受けたものでしたが、その中身は、カリフォルニアのSB277よりはるかに過激でした。公立学校の生徒だけでなく、私立学校の生徒も、学校に行かない家庭学習児にも、もれなくワクチン接種を義務づけ、さらにCDCが推奨しているワクチンーーインフルエンザワクチンも、将来、売り出されるワクチンもーーすべてを打たせるという内容だったようです。例外は認めない・・・まったく「医療の自由」なんてあったもんじゃない。
もしこの法律が成立していれば、ノースカロライナ州は、泣く子も黙る、全米最強の「ワクチン独裁州」になっていたでしょう。悪名高いワクチン王国、ウェスト・バージニア州やミシシッピ州(これにカリフォルニアが加わる)も、個人の考えや宗教的理由にもとづく「接種免除」を一切認めていないわけではないので。州の統計によれば、ノース・カロライナ州で「医学的理由」でワクチンを拒否している児童は179人、「宗教的理由」で拒否している児童は1204人、(2013-2014年)。しかし、法律がいったん成立すれば、すぐに「あらゆる大人」にも義務接種させるように改悪されるのは時間の問題だったはずです。
この最悪の法案をひっくり返したのは、やはり市民たちでした。
「個人の権利」を侵害するこの法案に怒って、上院議員に対する草の根運動を展開したボランティアは千人以上。彼らはただちに議会にピケラインを張り(具体的にどういうことをしたのか不明)、「医療独裁」と書いたプラカードを誇示し、三名の法案提出者に電話やメールをぶつけて攻撃したとのこと。この圧力にさらされた提出議員は、「電話とメールが波のように押し寄せ」「背後の騒音が大きすぎて」、法案を取り下げるしかなかったようです。
しかし、この法案取り下げ、破棄は、単に市民の圧力が大きかったというだけではなく、おそらく、背後の「憲法違反」などへの考慮があったのでしょう。上院議長のバーガー氏は、「私たちは、地域の有権者からそして各地の市民から、この厳格なワクチン法案に対する深刻な懸念を聞いて、SB346を前に進める(審議する)のをやめようと決定した」と述べ、最後は「ワクチン法案は死んだ」とまで言っていますから。
カリフォルニアのワクチン強制法にも違憲審査を求める異議が出ているし、市民の反撃はまだ始まったばかりです。2015.8.8
[参考記事]
http://www.naturalnews.com/050630_vaccine_tyranny_SB346_religious_exemptions.html
https://www.facebook.com/DrGregBrannon/posts/984060274938302
http://www.newsobserver.com/news/politics-government/state-politics/article17158538.html