ワクチン強制と市民の反撃2

 というわけで前記事の続きです。

 宗教的理由によるワクチン免除問題を審査した裁判所は、712日、家族の訴えを退ける判決を下しました。

これに対し、ケネディ率いるChildren’s Health Defenseは、次のような声明を発表しています。

 

マッケイ判事は本日、(ワクチン強制の)一時的差し止めを求める家族の求めを拒否する決定を下しました。この決定は退歩ではありますが、決して最終決定ではなく、今後さらに新たな判断が加えられることになります。これから仮差し止め命令に必要なヒアリングが行われたら、私たちは新しい情報を提供する予定です。 

マイケル・サスマン弁護士の声明:

「私は本日、(ニューヨーク州)オールバニ郡最高裁のマイケル・マッケイ判事から、宗教的除外規定の効力を無効にする差し止め命令を出すよう求めた私たちの訴えを拒否する手紙を受け取りました。

マッケイ判事はその理由として、他の裁判所も州が強制ワクチンを命令する権利を支持していること、そして暫定的差し止め命令を出すのに必要な、実質的可能性をあげるという非常に高い負担を果たしていないこと、をあげています。この考えには賛同しませんが、ただちに反論はしません。

判事はさらなるブリーフィングの日程を設定し、もし私たちが、判事の前で本訴訟のメリットを示せれば、(新学期が始まって)子どもたちが取り返しがつかない被害に苦しむことになる9月までにはまだ時間があるとの考えを表明しました。

今回の決定は私たちが望んだものではありませんが、もともと州法(の実施)に対して差し止め命令を得るのは非常に難しいことなのです。この問題がさらに発展すれば、この法律の運用を判事が事前に制限することにつながるかもしれません。私はそれを実現させるために取り組んでいきます。July 12, 2019 https://childrenshealthdefense.org/child-health-topics/mandates/statements-on-judge-mackeys-ruling-on-nys-temporary-restraining-order/

 ニューヨーク州のワクチン強制法は、事前説明も市民の意見聴取(パブリックコメント)もないまま、短時間の審議で通過・成立してしまったのですが、市民はこの訴えを通じて、その実施に待ったをかけようとしているのです。日本では裁判所(裁判官)は腐敗しているし、市民は訴訟に慣れていないので事件を裁判所に持ち込むのは勧められませんが、アメリカの裁判所は日本と違って口頭弁論主義、市民は自己主張することに慣れているので、原告にも分があります。
 単に原告だけでなく、全国の市民の「健康と福祉」にかかわってくる訴訟。その展開を見守りたいと思います。
2019.7.20

 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/