ワクチンを打たないと鬼(児相)が来る? 共同通信のトンデモ記事

前記事 ワクチン接種拒否で親権喪失 (06/11) の続き。記事全体が入手できたので、その部分(後の段落)を入れて再掲しておきます。

乳児・予防接種拒否 親権喪失を決定 九州の家裁
http://mainichi.jp/articles/20160608/k00/00m/040/149000c
「子どもの利益を侵害した」 育児放棄を重視
九州地方の家庭裁判所が3月、乳児への予防接種を拒否した母親について、児童相談所から「親権喪失」の審判申し立てを受け、「子どもの利益を侵害した」として認める決定をしていたことが7日、関係者への取材で分かった。家裁は、児相が昨年、母親の育児放棄(ネグレクト)により乳児を一時保護した経緯も重視。予防接種拒否の理由は医学・思想上の問題ではなく「児相職員への感情的反発」と認定した。親権喪失は、虐待など子どもの利益を害する行為について2年以内に改善が見込めない場合、無期限に認められる措置で、民法で規定されている。
 NPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「性的虐待などが原因の事例が多い中、予防接種拒否を主な理由の一つとした決定は異例親の権利よりも子どもの福祉に重点を置いた先進的な判断だ」としている。関係者によると、乳児は昨年夏、母親によって自宅玄関前に放置され、通告を受けた児相がネグレクトと判断して一時保護した。児相は、育児環境を考慮して乳児を里親に委託する道を探ったが、法律で定められた予防接種を受けていないことが障壁となり難航。予防接種には原則保護者の同意が必要で、児相は母親に同意するよう求めたが、拒否されたり返答を得られなかったりした。児相はこれらの経緯を踏まえ家裁に母親の親権喪失の審判を申し立てた。家裁は、母親の対応の背景に児相への反発心があると判断。「不当な目的で養育態度が著しく不適当。感染症に罹患(りかん)する危険がある上、里親委託にも支障があり、子どもの利益を著しく侵害している」と予防接種拒否の問題点を指摘し、ネグレクトとの両方を柱に親権喪失の決定を出した。親権を巡っては2011年の民法改正で2年を限度とした「停止」制度も設けられている。(共同)
 
児童虐待防止協会の理事長にとっても「異例」の決定。ところが、この理事長は、一方で「先進的」とも評価しているから、多分、関係者間で事前に根回しがあったのでしょう。なぜなら、児童虐待防止法上、「予防接種をさせない」は「虐待」にも「ネグレクト」にも当たらないため、話をあわせておかないと矛盾する意見が出かねないからです。
 
「予防接種させない」が虐待に当たらないのは当たり前です。逆に、水銀やらアルミやらホルムアルデヒドやら、神経毒、発ガン物質を含むワクチンを小さい赤ちゃんに打つことこそ虐待。毒物注入に他ならないからです。それを断る権利は、唯一、親だけに認められているのに、そんな親の権利を無視し、取り上げようという魂胆で書かれたのが、共同通信のこの記事なのです。
 そこで「ワクチン反対の会 神奈川」で共同通信に電話しました。すると、記者ではなく「受付」との話で、記事を書いたのは記者ではなく、弁護士だ、という驚くべき答がありました。
Q: なぜ、「法律で定められた予防接種を受けていない」などと、強制接種でもあるかのような書き方をしたんですか?
共同通信:「新聞記者はワクチンやさまざまな業界に精通しているわけではないものですから、必ず、弁護士を介してアドバイスをもらいながら記事をおこしています。だから新聞記者が書いているわけではないのですね」
Q: ではなおさらタチが悪い。法律を知っている弁護士が、なぜ誤解されるような記事を書いたのですか? この記事がおかしいことは、素人の私でさえわかります。司法の判断がまちがっていたと報道すべきでしょう。・・・予防接種法では予防接種は努力義務とされていて、すべてのワクチンは「任意」なのですよ。
共同通信:おっしゃる意味、よくわかりました。児童虐待問題において、ワクチンのファクターが大きくなっているということですね・・・。おっしゃる通りで、今後の参考にさせていただきます。
Q: ところで、この請求は九州のどの家裁でのことですか? また、判決文を見たいのですが。
共同通信:申し訳ありませんが、それは個人情報であり、この場での公表はできません。新聞記事も、①20行、②40行、③70行の三形態で販売しているので、長い記事がよみたければ、③を掲載している新聞社で閲覧して下さい。

 ・・・ウソがあります。虐待防止法は、児相を含む関係者が知り得た情報を外部に漏らさないよう禁じているから、共同通信がこの「個人情報」を得ているとしたら、賄賂でも使って入手したのか、あるいはワクチンを打つために親権が欲しい児相や「アドバイス」を行った弁護士が漏らしたのか、ということになります。それに、記事にはどの県のどの家裁、どの児相のことかも書かれていないし、これでは、「母親の親権を奪った」も、「乳児を玄関前に放置」というのも事実かどうかわかりません。はっきり言って、「やらせ」の可能性だってあるのです。
 でも、間違いないのは、この記事が、それを読んだママたちに「予防接種させないと児相が来る~」と恐怖感を与えるだろうこと。メディアは信用できないだけでなく、こうして害毒を及ぼすこともある。今年、これまでで最も腹が立った記事です。2016.6.15

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/