ラウンドアップ穀物とがんの関係が立証された!

  久しぶりに食の話題。ロシアが正式にすべてのGMO(遺伝子組み換え作物)のとうもろこしの輸入を禁じました。EUもこれに続くと見られています。その理由はあまりにも明らか。まず、下の写真を見て下さい。

 GMコーンで飼育したラットに出来た巨大な悪性腫瘍。この痛々しい写真は、はフランスのCRIIGENという遺伝子組み換え技術に関する情報収集・研究機関http://www.criigen.org//が発表したものです(左はGMOだけ(22%)を与えられ、繊維腺腫中に乳がんを発症したメスのラット。645日目)。
 この研究は、遺伝子組み換え作物の長期にわたる健康影響を追跡調査意した、世界初の包括的研究だというから、のけぞる人も多いのでは。今、どの国でも大きな顔をして流通しているGMOは、実は90日間の動物実験しかしていなかったのは有名な話(企業に不利な研究を行なう学者は、片っ端から研究者生命を奪っていったのも有名)。この研究は、大方の想像通り、GMOの摂取によって、たとえその量がごくわずかでも、生体に強い毒性をもたらすことを、初めて明らかにしたのです。
 この研究で調査したのは、次の二種類です。
 ①ラウンドアップ耐性を持つ遺伝子組み換え大豆。食用、飼料用GMOの80%以上がこのタイで、抵抗が激しかった海外と違い、日本では大豆もトウモロコシもナタネもワタも、とっくの昔にみーんな認可され、出回ってていますhttp://www.monsanto.co.jp/biotech/crops/index.html
 ②農薬としてのラウンドアップ。これは世界で最も大量に使われている除草剤。フランスではこの商品の安全性を証明するものとして、ラットの試験を求めていたところから、この調査が実施されたもの。
 研究者たちは、200匹のラットを二年間飼育し、その間、典型的な環境暴露に対応する量として(一食につきGMO11%、0.1ppb水溶液)を与え、モニターし続けたのです。その結果、死亡率の増加と、短命化、ホルモンの非線性と性関連の影響など深刻な反応が現れました。メスラットには相当数の乳腺腫瘍、脳下垂体と肝臓に影響が見られ、オスは多くが肝臓と腎臓の重い慢性不全で死亡しています。この研究結果は、査読付の国際的学術誌である
food toxicology誌に発表されました( on line on Sept. 19, 2012)。テレビでも扱われるし、本 « Tous Cobayes ! » by Gilles-Eric Séraliniも出版されるとか。ただしフランス語です。
 この研究機関はGMO作物の試験結果を90日から2年に延ばすこと、すべての農薬は有効成分だけではなく、配合割合も(超低レベルの場合も含め)二年間調査すること、さらに将来のバイオテクノロジー商品や農薬の審査を透明化し、市民に開かれたものにすることなどを主張しています。90日というのはラウンドアップの製造企業、モンサントの動物実験の期間です。でも、農薬の審査が密室で行なわれているのは日本だけかと思ったら、どの国も同じなんですね。農薬業界のグローバルな政治力に改めてぞっとします。
  ロシアのGMO全面禁止はこの研究結果を受けたもので、同国の栄養研究所がこの研究をレビューするのだそう。フランスもEU全体でGMO禁止を呼びかけているとか。日本では海外状況を知らないおえらい学者さんがずうっと「問題なし」で通してきたGMOですが、いい加減にこの猿芝居を止めにしてほしいもんです。なお、GMO製品にラベルを貼ることさえ違法にしてしまったアメリカでは、GMOはシリアル類(コーンフレーク等)の多くに使われている
many popular breakfast cereals.そうなのでご注意下さい。

http://www.criigen.org/SiteEn/index.php?option=com_content&task=view&id=366&Itemid=130 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/