モンゴルの知られざるウラン汚染

 どうもデジカメが壊れたようで、文章だけのモンゴル報告その2です
 3月19日に行われたモンゴルの国際会議は大成功でした。10時から4時まで、昼食付きの長い会議でしたが、多いときは130人ほどが部屋を埋め、外にも記者が大勢来ていました。
 昨年設立されたばかりの科学者会議の副議長の挨拶のあと、何人ものモンゴル人科学者が数値やデータ、写真をあげて問題を指摘します。でもすべてモンゴル語。中身がわからなかったのは非常に残念でした。せめて英語通訳でもいればよかったのに…
 
 発表論文にはいちいち厳しい(と見える)意見や批判が出て、日本の学会発表などとは大違い...これは、主催者があえて「ウラン採掘賛成派」も招いたからのようで、参加者の多数を占めるウラン採掘反対派や被害者などの反発を受けたからのようです。

 議論が沸騰しているな~と思っていたら、突然、私が次の演者に指名されました。もとは午後の最後に近い順番だったのに~。科学者会議の議長で、ウラン問題の口火を切ったTImid博士に理由を聞くと、「ヤマモトさんの話は今が一番いいので」。残念だったのは、外国人記者がいるのを知っていたので、英語で発表資料を作っていたのに(会場のモンゴル人の学者レベルはほとんど英語がわかる)、日本語ーモンゴル語通訳でやってくれと押し切られたこと。

 というわけで私はフクシマとノルドゴビの現状を対比し、モンゴルがいかに危険な状況にあるか、モンゴル人は事実を知り、環境と人々を守るため立ち上がってほしいというような話をしました。途中で何回か拍手があがり、話は気に入られたようです。私はなぜか、この他にも、会議途中で何回も記者会見のために外に呼び出されました。合計で8社くらい? カメラが回るなか、ウラン採掘の問題点や、私の個人的意見を聞かれたのですが、世界最大の鉱物資源を抱えている国の記者たちが、ウランについても採掘についてもほとんど何も知らないのは驚きでした。私だって一夜漬けに等しい知識しかありませんが、これじゃ騙される。講演で「無知は狙われる」と言ったのは言い得て妙だったかも。

 とにかく会議は大成功。私たち日本チームはその日の深夜モンゴルを発ち、午前3時半韓国のソウルへ。20日はソウルで、有名な金博士を表敬訪問し(私は昨年、台湾で彼を知りました)、その後、韓国側主催者らとのミーティング。そして、今日、午後の便で帰国します。それにしても忙しかった~~。2015.3.21

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/