汚染水道水、八千代市の隠ぺい

 このブログでは情報コントロールについて注意を喚起していますが、行政・企業が「安全」という時は特に気をつけて。たとえば下は千葉県八千代市は、水道水の汚染が大人の基準を超えていたことを隠ぺいし、一週間も市民に汚染水を飲ませていました。
 放射性ヨウ素、22日採取分370ベクレル―八千代・水道水
 八千代市は29日、市内の睦(むつみ)浄水場で22日に採取した水道水から、1kgあたり370ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことを明らかにした。大人も接種制限の対象となる暫定規制値(300ベクレル)を、福島県以外で越えたのは初めて。23日以降は数値が下がっており、22日の水が集合住宅の受水槽に残っている可能性は低いため、現時点で問題はない」という。この水は北千葉広域水道企業団の北千葉浄水場(流山市)から給水されている。北千葉浄水場で保管している22日採取分のサンプルを調べたところ、336ベクレルが検出された。県水政課によると、28日に採取した水からは検出されなかった。毎日新聞3月30日(水)12時5分配信①

 八千代市はどうも、高濃度の汚染が検出されたのにあわてふためいて数値を隠し、それから毎日、計測を続けて、ようやく数値が下がったので公表したようです。放射能に汚染された物を食べてはいけないのは、それが体内被曝―DNA損傷をおこし、ガンや胎児奇形を誘発するからです。だから、政府は正確な情報を迅速に配布するべきなのですが、ここではそれと反対のことをやっとる。あまりのひどさに言葉もありません。
 八千代市のサイトには、3月30日付けでこんな記事がありました。
 「八千代市上水道局が実施した放射能測定分析結果報告について
 参考として、北千葉広域水道企業団から3月22日に受水した水についても検査を行いましたが、数値結果は飲食物接種制限に関する指標300ベクレル/kgを超える370ベクレル/kgでした。当日の睦浄水場の配水池は,ほぼ満水状態(容量約12,000㎥)にありましたので、この配水池にあった大量の水と受水の水が混合され,睦浄水場から送り出された水が120ベクレル/kgとなったものと判断されます。この結果については,直ちに北千葉広域水道企業団に通知しました。②

 北千葉広域事業団も早速この水を調べ、その結果、放射性ヨウ素336ベクレル/kgのほか、放射性セシウム134が7.98ベクレル/kg、放射性セシウム137が7.03ベクレル/kgが含まれていたと発表しています③。その原因は「雨のせい」。そりゃそうです。当日、風向と雨雲のせいで、福島から100キロ以上も離れた千葉に「死の灰」を含んだ雨がふったのでしょう。これが原発災害の怖いところ。でもこの情報、政府サイトにはないし④、他のメディアのまとめにもない(松戸市の220ベクレルが最高)⑤から、県市の情報隠ぺいはあきらか。千葉県って、なんとかいう怪しい知事がいたんじゃなかったっけ? こういう知事を生み出した風土では、市民が団結して行政に毎日モニタリングをやらせ、きちんとその数値をフォローしなくちゃ、何事も是正されませんよ。2011.3.31
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110330-00000093-mailo-l12
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/siyakusyo/suidou/oshirase/
bunsekikekkahoukoku_2.html

③http://www.kitachiba-water.or.jp/info/index.html
http://www.kantei.go.jp/saigai/genpatsu_houshanou.html
◆各地の水道水から検出された主な放射性ヨウ素131の値

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/