フクイチの海水汚染と鮫川村

 日本近海のお魚は、これで完全にあきらめるしかないことを告げるニュース。食を通じた内部被ばくも一層深刻化するだろうし、日本の漁業も、食文化も風前の灯・・・
 

 海に汚染水1日300トン 福島第一原発 国費で対策
朝日新聞デジタル 87()2144分配信

東京電力福島第一原発の建屋近くの地下水から高濃度の放射性物質が検出されている問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、1日あたり推定300トンの地下水が放射性物質で汚染され、海に流出しているとの試算を明らかにした。東電による汚染水対策は破綻しており、政府は国費を投入して対策に乗り出す方針を固めた。資源エネルギー庁によると、福島第一原発では山側から海側に1日約1千トンの地下水が流れ込んでいるという。このうち、原子炉建屋などへ約400トンが流れ込んで汚染水になっているとしていた。しかし、試算では、残り600トンの地下水のうち300トンが建屋周辺の汚染土壌の影響で汚染水となり、海に流れ出ているとした。漏れ始めた時期は特定できず、事故直後からずっと漏れ続けている可能性も否定できないという。残りの300トンは汚染されずに海に流れているとみられる。

 久しぶりの放射能汚染の全国版ニュースでしたが、「東電の汚染水対策が破綻」することなんかわかっちたのでは? それどころか、東電には事故の事態を収拾する能力がないことも自明の理で、今やっているのはすべて「破局」までの時間稼ぎ。さっさと東電を解体して、責任者をかたっぱしから処罰し、施設を市民監視のもとで国家管理下におき、世界の頭脳を集めて解決にあたるべきだったのを、旧システムと旧頭脳にに解決策をゆだねては、先は見えて来ないって。彼らは生き残りと責任逃れに必死だから、当然、実態は隠すし、情報は操作するし、ウソはつくし、逃げるし、「フリをするだけ」。この辺は年季が入っているのよね。

 フクイチ後、くりかえされたウソの中で、最悪のウソが「復興」、最も悪質なウソが「安全」。放射能に汚染された地域の「復興」などありえないし、何しても「安全」であることはないんだから。そんな大量のウソと犯罪の上に作られた、鮫川村の指定廃棄物焼却炉が今日から本稼動されます。村は処理対象廃棄物のリストさえ出さないというていたらく。でも、反対に立ち上がった村人がたった一人じゃサポートしようがない。いいかげん、目を覚まさんかい。あんたたちの将来と名誉がかかってんだよ。2013.8.19 

 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/