フィリピンで約33万人の超過死亡、政府が調査に乗り出す

この↓記事、アップするのを忘れていました。イタリア元厚労相、ワクチン死隠しで検察が捜査と同じ線上にあるかと思ったけれど、ちょっと違う。人口削減の標的になっている途上国の状況は複雑です。

フィリピン政府、32万7千人の原因不明の超過死亡の調査開始を決定 2023.11.24」の概要は以下の通り。

「人口 1 億 1,000 万人を超えるフィリピンでは、2021 年から 2022 年のパンデミック期間中、327,000 人以上の膨大な原因不明の超過死亡が発生し、国内外に懸念を広げていた。この件を徹底的に調査するようにとの政府の求めを受け、公衆衛生の監督機関である政府委員会は、調査開始を決定した。さまざまな分野の専門家で構成される委員会は、今後、入手可能なデータを包括的に検討し、医師、家族や関係者との聞き取りを行い、地理的位置、年齢層、既存の病状など、潜在的なパターンや共通要因を特定して、死亡との因果関係を探る。フィリピン政府は、この調査を政府の透明性と説明責任への取り組みを示すもので、調査の結果は、状況を理解し、将来このような事態を防ぐための適切な措置を講じる上で非常に重要だとしている。」

 記事には、どこにも「ワクチン」とは書いてありません。でも、フィリピンのコロナワクチン接種率は、最大の都市、マニラで約95%にもなるのです。島嶼部が多いため、国全体の接種率は低いでしょうが、都市部だけを取ると、おそらくイスラエルと並んで世界で一番高いかも・・・

 しかも、フィリピンには、パンデミック初期から、中国のシノパック、ロシアのスプートニクを初め、ファイザー、アストラゼネカなどあらゆるメーカーの製品が押し寄せていました(もちろん、最も多く接種されたのがファイザー社製です)。この状況から、超過死亡とワクチン接種の関係が問題にならなかったはずはありません。「政府の透明性、説明責任」や「医療システムそのもの、パンデミックの影響、根底にある不明な要因などが疑問視されている」「将来、このような事態を防ぐ」などの表現に、事態の深刻さがうかがえますが、住民が英語で発信しない限り、海外の人は、その実態を知ることはできません。

 私が、この高い接種率と超過死亡に驚いたのは、フィリピンは製薬産業のターゲットにされ、何回も悲劇を経験していたからです。例えば「デング熱ワクチン(デングワクシア)事件」では(デング熱:蚊が媒介する病気)、フランスの製薬メーカー、サノフィ・パスツールが開発したワクチンをフィリピンに売り込み、政府はこれを真に受けて、2016年4月から、幼児、児童に対する大々的なデングワクシア接種キャンペーンを展開しました。

ところが政府は、この接種キャンペーンをいきなり中止します。理由不明。しかし2017年11月、サノフィは、このワクチンはデング熱未感染の子どもにはより重篤なデング熱を引き起こす可能性があると発表していました。そして、このころまでに多くの子どもたちがデング熱を発症したり、亡くなったりしていました。ただし、政府は親にカネを払って口止めした例も多いようで、事件の全貌は不明。この情報をネットで知った親たちは怒りと恐怖の声をあげ、政府や議会に訴え、訴訟を起こし、ワクチン普及に関与した保健当局者らが取り調べを受けています。

デングワクチン死関連のフィリピン上院公聴会に、家族らは亡くなった子どもの写真を持ちこんだ

 これは今も捜査が続いている、極めて現実的なワクチン被害事件であり、接種後死亡した子どもの数は、2018年までに、わかっているだけでも87人。しかし、ワクチン接種した子どもは約90万人、警察官や教師には接種が義務付けられたため、隠れた犠牲者はもっと多いでしょう。DOH: Number of kids who died after receiving Dengvaxia reaches 87 …山本は、このような悲劇を経験したフィリピン人は、コロナ「実験」ワクチンを受け入れるはずはないと考えていました(現にアフリカでは多くの国がコロナワクチンを拒否した)。しかしフィリピンのメディアプロパガンダがよほど徹底していたのか、前述通り、マニラ首都圏では接種率が95%に達した。

 なお、フィリピンと同等の人口をもち、コロナワクチン接種率は全国均等に高い日本では、フィリピンと同じ時期、「平年を大きく上回る超過死亡は生じていなかった」ことをご存じでしょうか?↓は日経記事から。

22年の死亡158万人超、戦後最多 コロナ余波も 2023年2月28日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA277KO0X20C23A2000000/ 厚生労働省が28日に公表した人口動態統計(速報)では、2022年の国内の死亡数、前年比の死亡増加数ともに戦後最多となった。新型コロナウイルスによる死亡に加え、心不全などで亡くなる高齢者が急増している。22年の国内の死亡数は158万2033人で、前年より12万9744人(8.9%)増えた。・・・感染症などの専門家は2月22日に死亡数の増加について見解を公表。「コロナに感染して全身状態が悪化し、コロナ以外の死因で亡くなる患者が増えた可能性がある」と推測している。コロナの流行が始まった20年は感染対策で死亡数は減少したが、21年は反動もあり増加した。2年間の合計では平年を大きく上回る超過死亡は生じていなかった。感染症などの専門家は見解で「現時点で、ウイルス変異による重症度が悪化しているという報告はない」とするが「今後の感染状況を把握するためのさらなるサーベイランスが必要」と指摘している。(社会保障エディター 前村聡)

 2021年も超過死亡の増大が相当大きな問題になっていたのに、すべてなかったことにしているんですね。そして、今になっても、まだ死亡の多くはコロナのせいにするというアホな記事が出せるのは日本だけです。市民が情報をつかみ、政府やメディアのウソを指摘しない限り、事態は悪化する一方でしょう。

 なお、この件を伝えたアレックス・ジョーンズによれば、政府委員会が「超過死亡」の調査を決定した翌日、フィリピンはマグニチュード7.2の地震に見舞われたとのことです。つまり、「コロナ調査」というやってはけない行動を開始したフィリピンに対し、グローバリストは地震という罰を与えた、と暗示しているわけ。

調べたら、確かに、2023年11月18日、フィリピンは大きな地震に襲われていました。At least 82 dead, churches destroyed as 7.2 earthquake hits Philippines フィリピンも日本も地震多発国ですが、グローバル・サウスの国々には、「地震兵器」の存在を認め、それに攻撃されたことを公言している政府は珍しくありません。現在の地震はすべてが自然現象ではないことを考えると、能登地震も、日本政府の何らかの「不履行」に対するグローバリストの罰かも。私たちは本気で、そんなグローバリストを罰する必要があります。2024.1.12

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/