コロナ治療薬‐アビガンは不妊薬

   WHOのコロナ治療薬の「連帯治験」プロジェクトに日本製が入っていないことに、クスリ大国日本のメーカーがどれほど悔しい思いをしたか・・・それで、アビガンに対する期待が否応なく高まっているのです。

アビガン増産へ総力戦=既存薬の有効性、国内外で模索―新型コロナ

2020/04/25 07:29 時事通信

 新型コロナウイルス感染症の有力な治療薬候補である抗インフルエンザ薬「アビガン」の増産に向けた態勢整備が進んでいる。長い年月を要する新薬に比べ、既存のアビガンへの期待は大きい。エボラ出血熱など他の疾患治療を目的に開発された既存薬を対象に、新型コロナへの有効性を探る取り組みが国内外で広がっている。アビガンは富士フイルム富山化学(東京)が開発。2014年に国から承認を受けた新型インフル薬には、コロナウイルスの増殖抑制効果が期待されている。有効性を確認する臨床試験(治験)が始まり、年内にも承認されて広く投与される可能性がある。胎児に奇形が生じる副作用から妊婦らは服用できない

 政府は緊急経済対策でアビガン増産支援のため139億円の予算を確保し、200万人分の備蓄に乗り出す方針。富山化学は月4万人分の生産能力を9月までに30万人分に急ピッチで拡大する。ただ、原料確保が最大の課題。中国からの輸入に依存している有機化合物「マロン酸ジエチル」は、政府要請を受け中堅化学メーカーのデンカが新潟県の休止設備を稼働させ、5月に生産を始める。山本学社長は「困難を伴うが社員は使命感に燃えている」と意気込む。宇部興産やカネカなども原料・原薬の供給に相次いで名乗りを上げた。 コロナ発症者の改善報告によると、東京品川病院(東京)では投与4日目に検査で陰性が確認されたという。海外から提供要請も相次ぎ、安倍晋三首相は「日本発の特効薬を世界に発信していきたい」とアピールする。

 エボラ出血熱向けに米ギリアド・サイエンシズが開発を進めた「レムデシビル」をめぐっては、日本の研究機関も参加する形で、コロナ向け治験がグローバルに進む。米医学誌は投与した重症患者53人のうち36人に改善が見られたとの研究結果を公表。一方、中国での治験は失敗に終わったと一部で伝えられ、課題は残る抗リウマチ薬でも、中外製薬が創薬したスイス・ロシュ「アクテムラ」、仏サノフィ「ケブザラ」のコロナ向け治験が始まっている

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 でも、前記事通り、アビガン(ファビピラビル)は2014年、「国策としてのみ製造できる」という、普通では考えられない条件をつけて承認された、極めて不透明で政治的なクスリなのです(なお、新薬の審査はPMDA、承認・許可は厚労大臣)。

 ●「近い将来、新興、再興インフル感染症が起きる」のを予想していた

 ●「他のクスリが効かない感染症」が起きることも予想していた

 ●ウイルスのRNAポリメラーゼ(酵素)を選択的に阻害するという、まったく「新規な」クスリで、本来なら通常より厳しい審査が必要。

 ●しかし、動物実験で奇形児が生まれるなど、安全どころか危険性が証明されていたーー普通なら承認されない

 ●「承認用法及び用量における投与経験はない」ーー治験は低用量で実施された

 ●それにもかかわらず、PMDAはアビガンの承認申請を受理、審査し、厚労大臣はこれを新薬として承認した…

 あり得ない。怪しい。おかしい。

 しかし、アビガンの添付文書の初めにある、赤字の「警告」は、この異常な承認についてのヒントとなっています。

1.動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
2.妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。
3.本剤は精液中へ移行する1)ことから、男性患者に投与する際は、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)するよう指導すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと
4.治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること。
5.本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。

 初期胚の致死、催奇形性、そして胎児への暴露、精液や乳汁への移行、精子異常…これは、抗ウイルス薬というより、ヒトの生殖機能阻害薬=不妊薬と言った方がいい。もちろん、承認申請などできるはずもなく、申請しても却下されるべきなのに、なぜか「承認」されたのは、やはり、あいつ=ビル・ゲイツ=の影を感じてしまうのです。所詮、ものを言うのはカネだしね。

 さて、アビガンの副作用も実に多い。ちなみに副作用の出現率は501例中100例(約20%)。

 重大な副作用–「異常行動」

 その他類薬に共通する重大な副作用ーー「ショック、アナフィラキシー、肺炎、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性腎障害、白血球減少、好中球減少、血小板減少、精神神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)、出血性大腸炎」

 その他の副作用ーー「湿疹、掻痒、肝機能異常、下痢、悪心、嘔吐、腹痛、十二指腸潰瘍、血便、胃炎、血液異常(白血球数減少など」

 副作用には、このクスリで治療しようとしている「肺炎」もありますが、これは、薬剤が速やかに肺に移行するためのようです。この警告と副作用リストを見ると、薬剤が脳を含めた各臓器へ移行し、全身に悪影響を及ぼし、体が悲鳴をあげているようで、副作用に「死」がないのが不思議なくらい。

 ・・・普通の医師は、こういう情報を知れば、決してアビガンを処方しようとはしないでしょう。

 政府はこんな危険なクスリに139億を支出して、人々を危機にさらそうとしている。

 アビガンは人類にとって危険な賭けです。「期待」だけで突っ走るんじゃない。

2020.4.27

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/