がれき広域処理は、汚染拡散が目的

 あるブログの情報は正しいのでしょうか?という質問が入っていました。で、そこを訪問すると、こんなことが書いてありました。
菅前総理元秘書の松田さんが 広域ガレキの問題で 『拡散すれば 奇形児が出ても福島からだけでなくなり、補償の問題から逃れられるから』と言われたが 本当?  『 本当ですよ 経産省の何人もの奴から聞きましたよ』 http://ameblo.jp/yuuna7777777/entry-11299596108.html
 こんなことを公言する官僚に会ったことはないし、マツダさんという方の直接の談話ではないので、真偽についてはコメントしません。でも、私も講演でほとんど同じようなことを述べていますよ。「がれき広域処理の目的は、汚染の拡散」、「福島とその他の地域との差をなくし、それによってTEPCOや政府の賠償責任を逃れるつもりだ」などと。
 フクイチが「事故」なら、その後のがれき・放射能廃棄物の拡散は、市民に対する政府の意図的な「環境テロ」であり、戦争なのです。いつの世も、戦争の犠牲になるのは一番弱い人々だから、まともな市民なら、当然、反撃に立ち上がるでしょう。そこで、政府は「絆」、「復興支援」なんてイメージ戦略を打ち出して人々の反抗を抑え、国民を戦争(がれき広域処理)に駆り立てているのです。
 これこそ戦争マーケティング。がれき処理を3年と限ったのも、その頃にはもう事実は隠せなくなる、と読んだからでしょう。だから彼らは急いでいるのです。というのは、福島にはすでに多くの「異変」が起きているから。福島県が行っている「民健康管理調査」はその一例で、甲状腺調査の受診者のうち実に3割以上に、甲状腺結節やのう胞など異変が起きています。
     平成23年度 甲状腺検査の結果概要(平成24年3月末日現在)
検査実施総数 38,114人
判定結果           判定内容                   人数(人) 割合(%)
A判定  (A1) 結節や嚢胞を認めなかったもの               24,468人 64.2%
      (A2)5.0㎜以下の結節や20.0㎜以下の嚢胞を認めたもの 13,460人 35.3%
B判定 5.1㎜以上の結節や20.1㎜以上の嚢胞を認めたもの        186人  0.5%
C判定 甲状腺の状態等から判断して、直ちに二次検査を要するもの      0人  0.0%
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240612shiryou.pdf
(甲状腺調査の概要は12~15ページ。)
 がれきの焼却で発生する放射能PMは、簡単にヒトの内部被爆を起こします。東京など都市部の焼却はもっと危険。「がれき受け入れ」を決議するバカな市議会、野心家の首長、無関心な市民に、ぜひこの事実を伝えて。くり返しますが、これから焼却炉の段階的停止が必要になるでしょう。もう、焼却炉を作る時代ではありません。2012.7.19

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/