あきれた共産党町長の試験焼却説明会

  前回の続き。石井知事率いる富山県東部、朝日町で、はやくも試験焼却の説明会が開かれましたが…
試験焼却の説明会なのに具体的な説明なく…
2012年08月13日 19時31分
 震災がれきの受け入れに前向きに検討している新川広域圏事務組合、先週金曜、朝日町の焼却場のある地区で初めての住民に対しての説明会がおこなわれました。
 この日、説明会が開かれたのは、新川広域圏の焼却施設がある朝日町の大家庄(おおいえのしょう)地区。出席した50人あまりの住民を前に朝日町の脇町長や環境省の担当職員などが先週、県に示された震災がれきの割り当て量をもとに、放射能濃度100ベクレル以下の木質系可燃物を1日10トン、総量10800トンを来年12月末までに受け入れたいと見通しを示しました。
 一方、本来焦点になるはずだった試験焼却についての具体的な説明はほとんどおこなわれず、住民から不満の声があがる場面もありました。
 「まさか、手順の説明を始めると聞いてびっくりした。まるで、はい、決めましたから理解してね、という風に思えてしまったんですけど」、「住民理解といわれてますが、なにを持って理解とすればいいのか? 説明会したらいいんですか? 広域圏が勝手に判断するんでしょうか?」(住民)
 
 なかなかで踏み込んだ記事ですが、これが電力会社とは無縁のローカルメディアだからでしょう。で、驚かされるのが、次の脇町長のおことば。

 「試験焼却のゴミがきたときは、一緒になってみてもらうとか、灰を一緒に測って体で確認してもらうことが皆さんの理解につながる」
 はあっ? 灰を一緒に見る? 測って体で確認してもらう? どういう意味、それ。あんた一人で灰の中で転げまわっていればいいでしょ!
 説明会終了後、参加した住民からは…「健康被害とかそういうことが心配で、参加させてもらったんですけど、そんな説明もなかったんで…」(男性)
 「被災地の状況も毎日変わっていると思うので、いい対策ができたときにどう対応していくのかということも明確にしてもらいたいと思います」(女性)
 新川広域圏の住民説明会は処理施設がある地区を中心に10か所にしぼっておこなわれ、新川広域圏事務組合の理事長でもある澤崎魚津市長は、年内にも試験焼却を実施したいとしています。
http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/index.html?TID_DT03=20120813194348
 脇氏は富山県初の共産党市長http://www.jcp.or.jp/jititai/syucho/index.html.
 がれき広域処理を受け入れの党の主張に忠実に従って受入れようというのでしょう。都道府県は国の家来だから、ある程度、仕方がないとはいえ、基礎自治体の首長が住民の生活より党利党略を優先させては失格です。「命とくらしを守る」というスローガンを、「企業と利益を守る」に書き換えなさいよ! 2012.8.16

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/