高座渋谷の「新ごみ」は三菱重工Gが落札

  神奈川県にまたひとつ、原発メーカーによる公害施設ができます。老人福祉施設のすぐ隣ですが、海老名の市民はまったく危機感はないようです。

高座清掃施設組合の新ごみ処理施設/三菱重工環境グループに決定

2015-04-01http://www.kensetsunews.com/?p=46221


 高座清掃施設組合(神奈川県海老名市)は3月30日、「新ごみ処理施設整備・運営事業」の実施事業者を289億円(税別)で三菱重工環境・化学エンジニ
アリングを代表とするグループに決めたと公表した。総合評価一般競争入札の案件で、3グループが参加した。提案書の提出、ヒアリング審査、開札を経て、3
月19日に特定した。6月下旬の本契約締結を予定している。
 特定グループは代表企業を始め、構成員に重環オペレーション、協力企業にツネイシカムテックス埼玉、メルテック、中部リサイクル、フジタ、人の森、相鉄企業の8社で構成する。このほか、荏原環境プラント(入札価格365億9000万円)と新日鉄住金エンジニアリング(同339億9989万5376円)を
代表とするグループも応札した。予定価格は404億6200万円(同)で、このうち整備事業費は181億2000万円(同)を占める。同事業は海老名市、座間市、綾瀬市で発生する一般廃棄物を適正に処理するため、神奈川県海老名市本郷1-1の事業用地約1.59haに高効率ごみ発電施設(焼却施設)、余熱利用、マテリアルリサイクル施設(破砕選別施設)を整備する。事業手法はPFI法に準じたDBO(設計・建設・運営)方式を採用す
る。今後、19年3月までに設計・建設を終え同4月から供用を開始する。運営・維持管理は39年3月までの20年間となる。[
2015-04-01  5面  面名:関東面]

 予定価格約404億円に対し289億円での落札、そして、この手の記事につきものの「処理方式」についてなぜか記載がありません。調べたら、組合は「高効率ごみ発電施設」をそなえた①ストーカ炉+灰資源化方式、②流動床式ガス化溶融方式、③シャフト炉式ガス化溶融方式のいずれか、を指定していますが、落札結果にも「方式」は書いてない。審査講評の公表についてに、「ほしグループ(三菱Gのこと)は40年以上の稼動実績を持った方式であり…」という文を見つけ、ようやく①のストーカー炉+灰資源化方式だ、とわかった次第です。

 方式の名前を出さなかったのも、三択にしたのも、落ち目のガス化溶融炉(危険、高コスト)に対する思いやりでしょうか? そう思うのは、廃棄物に関する限り自治体はすっかり企業に乗っ取られているからです。なお、灰溶融炉を入れなかったのは賢明ですが、311後は「灰の資源化」だって赤信号。いいかげん、自治体は焼却炉から卒業して!と言いたい。それから、この高座渋谷の清掃工場は、ここ数年、鎌倉市のごみの一部を受け入れていましたが、今後はどうなることやら。ゴミ処理の観念を根本から変えない限り、場所・方式選定の悩み、反対運動とは縁が切れません。2015.4.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/