迷子用チップでペットがガン死

 アメリカでRFIDチップを注入されたペットが悪性腫瘍で死亡

Seamus 大事なペットが迷子になっても、すぐ探せるよう・・・そんな飼い主の心理をついた「チップビジネス」。それが逆に悲劇をもたらした例がいくつか報告されています。(関連情報は、拙著「大量監視社会」をご覧下さい)。
 堂々とした五歳のマスティフ犬のシーマスは、昨年5月、非常に珍しい悪性腫瘍ができ、今年二月に死んでいます。彼の背中、肩甲骨の間にできたこの腫瘍は、人間でも数ヶ月で死ぬという悪性ガン。
 2009年9月にはそれが肥大化し、バージニア州のブルーリッジ動物病院の病理検査で、すでに肺・肝臓・脾臓にも転移していることが、わかりました。検査は緊急手術に切り替えられ、30センチの切り口から2キロ以上もある腫瘍が取り出されました。
 翌日、飼い主は、腫瘍がシーマスの肩甲骨の間に埋め込まれていた二つのRFIDチップ周辺にできていたことを知らされ、驚きます。一つは飼い主が受けさせたのですが、もう一つはどこで注入されたか不明でした。
 12月にはガンが再発し、快活で遊び好きだったシーマスは歩くことさえできなくなり、飼い主は安楽死を選びます。「彼は生きたかったのだと思う。チップを入れたのは盗難を恐れたから。いいことをしていると思っていたの。でもガンは、彼を食い尽くしてしまった・・・」
 Scotty                       5歳のヨークシャーテリアのスコッテイは、メンフィスの動物病院で、2009年12月に悪性リンパ腫瘍と診断されました。発ガン部位は肩甲骨の間ーマイクロチップが埋め込まれていた場所でした。小さな風船ほどの腫瘍を取り出して見ると、その中に入っていたのがマイクロチップでした。スコッティは余命1年足らずと宣告されます。
 飼い主はチップとガンの関係を追及します。そして病理検査の結果、初めは懐疑的だった動物医も「外から注入された物質、たとえばこのチップが炎症を起こした可能性がある」と認めます。
 このチップを保護しているガラスのコーティング剤が、体内で動き回るのを抑える作用がありますが、それが炎症を起こしていたのでした。


 飼い主はこの病理検査を、ペットのチップを進めている組織、ホーム・アゲインに送ります。
Scotty incisionしかし、会社はペット注入と腫瘍の関係を認めず、治療代として300ドルのチェックを送ってきただけでした。実際の治療代4千ドル以上に到底及びません。
 「ほんとなら15歳まで生きられるはずなのに・・・マイクロチップはペットを死なせることになるのを考えてほしい」(上はスコッティ、右は彼の手術直後の背中の傷)。

 でも、この例は氷山の一角。他にも地方紙レベルでは多くの「チップによるペットの死」が報道されているようです。
Charlie Brown昨年、飼い主の腕の中で息をひきとったロングヘアー・チワワ
のチャーリー・ブラウン(カリフォルニア)は、その数時間前にマイクロチップの注入を受けたばかりでした。手術を行った獣医は、チワワがチップ注入による失血死を起こしたことを認めています。
 また、子猫がチップ注入の直後に死んだというケースもあります。これはチップが誤って脳幹に注入されたことによるもの。さらに別の猫は、チップが脊柱に入り、全身麻痺を起こしたというケースも。
 動物に注入されたチップが、体内をあちこち動き、腫瘍や感染を起こしているというケースは、多数報告されています。2007年にはAPがこの問題をシリーズでとりあげているし、獣医関係者の雑誌でも、実験動物(ネズミ)の1-10%が悪性腫瘍を起こすtということが報告されています。
 日本でもそのうち、子どもや徘徊老人、ペットにマイクロチップを入れよう!という馬鹿な動きが出てくるかも知れません。その時、この記事を思い出してほしい。
 この問題に関する情報は 
http://www.antichips.com/cancer/index.html まで。

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/