箱根町ががれき受入表明、いまさら

 今頃になって、がれきに手をあげる自治体が出るとは思いもしませんでした。
 芦名への受入が事実上、閉ざされたため(地元ボスがまた水面下交渉に励む可能性はまだありますが)、県は、他の自治体を説得して回ったのでしょう。だって、下↓の記事を読むと、議会、自治会幹部、旅館協同組合など「関係者」を先に説得するなど、神奈川県のやり方だもの。黒岩知j費、どうしても県内一箇所でも受入を成功させて、環境省にいい顔をしたいのでしょうね。

箱根町が被災漁網受け入れ表明、岩手・洋野町から最大100トン/神奈川 カナロコ49()60分配信
   東日本大震災で使えなくなった漁網の受け入れ問題で、箱根町の山口昇士町長は8日記者会見し、町の一般廃棄物処分場で最大約1000トンを受け入れる方針を表明した。「震災から2年が経過したが、依然受け入れ先が決まらず、復興の妨げになっている」ことなどを重視したという。周辺住民らに説明し、理解を得た上で進めたいとしている。
 山口町長は会見で「被災地の状況を見聞きするにつけ、日ごろから何とかできないかと思い悩んできた。お互いさまで助け合う関係が必要だ」と述べる一方、「安全が絶対的な担保」と強調。放射性物質濃度が1キログラム当たり100ベクレルを下回っていることを条件に、岩手県北部の洋野町から漁網を受け入れる考えを示した。同町の漁網は20ベクレル未満という。
  埋め立て先は、箱根町畑宿の第2一般廃棄物最終処分場。既に地元自治会や箱根温泉旅館協同組合の幹部には受け入れの意向を説明、理解を得ているという。今月開かれる自治会総会の場でも説明することにしている。町議会に対しては、8日の全員協議会で受け入れ方針を明らかにした。畑宿自治会の平塚宏会長は「危険なものを埋めるわけではなく、反対する理由はない。自治会員にも理解してほしい」との考えを示す。温泉旅館協組の榎本孝弘理事長は「個人的には問題ないと思う」としつつ、観光振興に努める立場から「風評被害が起きないようにしっかり対処してほしい」と述べた。

◆「できる限り協力」黒岩知事は歓迎
 被災地の漁網の受け入れ方針を箱根町の山口昇士町長が表明したことについて、黒岩祐治知事は8日、歓迎する意向を示した。「大変心強く、ありがたく感じる。円滑に受け入れできるよう、できる限り協力する」とし、「こうした動きが県内に広がることを期待したい」との談話を発表した。県によると、環境省が県内への受け入れを見込んでいる漁網の量は、岩手県洋野町の千トンと同野田村の100トンの計1100トン。県は昨年7月、漁網の受け入れ案を県の処分場(横須賀市)周辺の連合町内会に提示したが、12月に反対の意思が示された。県はこれまで漁網の受け入れを県内市町村に要請しておらず、引き続き同処分場での受け入れ実現を目指していたが、箱根町から県に同日正午前、受け入れる意向との連絡が入ったという。

 
 こちらは箱根町のサイト、まだ「復興」なんて言ってる。
http://www.town.hakone.kanagawa.jp/hakone_j/ka/kankyou/page000031.html

 たかが100トン、でも、箱根町にとっては、町の年間埋め立て実績のほぼ3分の1の約700立方メートルに相当する大容量となります。しかも魚網は大量の農薬(殺虫剤)がしみこんだ危険物、こんなもの、観光地で受け入れるなんて狂ってる。観光地でもない芦名が拒否したのに倣ってほしい。箱根なら、子どもを含む家族を受け入れる事業に補助金をつけてもらえば、何倍もいいじゃないの? 2013.4.9

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/