災害ごみの受け入れについて

 アップを忘れてました・・・
 政府はH17年に、こういう命令↓を市町村に出していました。 「国庫補助金を使って作った焼却炉なら、災害ごみを燃してもかまわん(補助金は返還しなくてもよい)ぞ」と。


【 既存の一般廃棄物処理施設において災害廃棄物である産業廃棄物を受け入れる場合の財産処分(目的外使用)について 】


公布日:平成17年03月28日 環廃対発050328005
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長から各都道府県廃棄物行政主管部(局)長あて)
 災害廃棄物の迅速な処理に資するため、既存の一般廃棄物処理施設において、災害により発生した産業廃棄物を処理する場合の財産処分の取扱いについて、左記のとおりとすることとしたので貴管下市町村等に対し周知されたく通知する。
                            記
一、既存の一般廃棄物処理施設における産業廃棄物の処理に対する承認
  国庫補助を受けて整備した既存の一般廃棄物処理施設において、災害により発生した産業廃棄物を一般廃棄物と併せて処理する場合には、別紙様式を環境大臣に届け出ることにより、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二二条に規定する財産処分の承認があったものとして取り扱うこと。
二、財産処分の承認要件
  一、の場合の届出及び財産処分の承認は、次の全ての要件を満たす場合に行えるものであり、補助金の返還は原則として求めないこと。
 ア 併せて処理する産業廃棄物は、一般廃棄物と同様の性状であって、一般廃棄物処理施設において処理できるものであること。
 イ 産業廃棄物を受け入れる期間は必要最小限のものであること。
三、財産処分の届出
  一、の場合における財産処分の届出については、都道府県を経由して行うこと。
四、その他
  一、の場合の届出及び財産処分の承認をもって、災害廃棄物処理事業費補助金の補助対象となるものではないこと。
 被災地ではごみ処理などできないから、他自治体が協力してもいいじゃん、と思う人もいるでしょう。そりゃそうです。一般廃棄物なら自治体同士が協議すれば問題ありません。でもこの通達は、カネ(補助金)にからめて、本来、処理対象となっていない災害ごみ(産廃)処理を、広域で受け入れろと言っているのだから、地方自治法違反。非法治国家・ジャパン。
 しかも、このお達しは「放射能汚染ごみ」を想定したものではありません。川崎市が福島県のがれきの処理に真っ先に手をあげたことがありましたが、あの時、市民が反対しなければ、強行処理が行なわれ、前例となっていたことでしょう(今だって、こっそりやってんじゃないかという気もしますが・・・)。
 でも、日本には、今回のような災害廃棄物―それも放射能汚染の可能性が高い―の処理について規定した法律はありません。原発の通常運転から出る放射線廃棄物については、濃度の違いによって処理法が決められてはいますが、それだって、反対などでうまく行っていないのが実情。
 それにもかかわらず、政府は、財界と、新産業に群がる山のような御用学者のバックアップを受け、とっくに、放射線廃棄物の「広域焼却処理方針」を打ち出しているから非常に問題です。国会議論も、住民意見の反映も、場所の選定といった手続きも何もなしだから、まさに犯罪的です。焼却派にいわせると、(各地で発見された)焼却炉や下水汚泥焼却炉の近傍の高濃度放射性物質は、焼却のせいではなく、大気の降下物によるんですと・・・ああ、いやんなっちゃう。この国のバカ学者。
2011.9.5

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/