汚染チップを積んだトラックが滋賀県に舞い戻って来た件

 
   琵琶湖西岸の高島町にひそかに捨てられていた木材チップ。それが高濃度の放射性廃棄物であることがわかって地元は大騒ぎ。関西の水がめである琵琶湖の汚染を心配して、騒ぎは関西全域に広がり、撤去要請の声も大きくなっていたのは、みなさまがご存知の通りです。こういう風に多くの人が動いている場合、私は手を出さないことにしていますが・・・

 1月初めから現地で搬出作業が始まり、岐阜ナンバーのトラックに積み込まれて富山方面に向かった、という情報がありました。これを追いかける報道陣の車(市民も追ったようです)。トラックは富山を素通りして新潟県に入ったところから、後続車を振り切ろうとするように迷走を始め、最後は福島県へ。この模様を読売TVがアップしているので、ごらん下さい。

 http://www.ytv.co.jp/ten/sp/ 2014年1月9日
 
 「琵琶湖近くに放置“放射性セシウム木くず”なぜ?どこへ?」

 トラックは、常磐道の北茨城インターでいったん降りています。そこからから西へ数十キロ離れたところが鮫川村です。追跡部隊がいなければ、業者は汚染チップを人気のない林道に捨てていたかもしれません。鮫川村や塙町は、林業が主体、人口も極端に少ない地域なので。

 しかし、トラックはそこでUターンして再び高速道で東京方面へ…読売TVはここで追跡を断念しますが、テレ朝は最後まで取材を続け、トラックが高島に舞い戻って来たことを確認したそう。滋賀県、福島県、環境省、JAEAは気が休まらない数日だったことでしょう。放射線廃棄物をめぐる状況は、これからもっともっと悪くなります。http://www.youtube.com/watch?v=kqO-RYJ1Pyk それにしても、汚染拡大を止めるべき自治体が拡散に手を貸しているとはね。これで「国」って言える? 2013.1.11

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/