新潟市、がれきコンテナ返却へ

  まったく。第一報はまだマシだったけど、第二報になると報道操作が・・・ こういう記事を読んで、「そうか、大勢集めて抗議すれば止まるのか」と思わないように。
新潟市、岩手のがれき返却へ 住民抗議で試験焼却を断念
 2012年11月27日 22時27分 東京新聞【政治】
  東日本大震災による岩手県大槌町のがれきの試験焼却を、住民団体の抗議を受けて断念した新潟市は27日、岩手県と協議し、がれきをいったん返却することを決めた。新潟市によると、返却時期と場所は未定だが、引き続き受け入れに向けて住民に理解を求める。篠田昭新潟市長は27日、市役所で記者団の取材に応じ「混乱を避けるためにいったん立ち止まり、粘り強く理解を広げるようにしたい」と述べた。今後も試験焼却に向けて取り組む方針だが、その日程は来年になるとの認識を示した。(共同)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112701001832.html
震災がれき岩手に一旦返却へ
11月27日 21時14分  NHK新潟放送局
  新潟市が予定していた東日本大震災で発生した岩手県のがれきの試験焼却が、住民などの激しい抗議で延期されたことを受けて、新潟市はがれきをいったん返却する方向で岩手県と調整することになりました。新潟市では焼却が行われる新潟市江南区の焼却施設に26日がれきを運び込もうとしましたが受け入れに反対する地元の住民や市民グループのメンバーが激しく抗議したため、がれきを運び込めず、新潟市は予定していた試験焼却を延期しました。焼却施設以外ではがれきをコンテナからは出すことができず、被災地ではがれきの広域処理で全国に輸送するためのコンテナの数が限られていることから、新潟市は、がれきをコンテナに入れたまま、いったん返す方向で岩手県と調整することになりました。環境省によりますと、住民の反対でがれきが受け入れられずに被災地に返されるのは、これまでに例がないということです。新潟市の篠田昭市長は「焼却のめどが立たないのにコンテナを置いておくわけにはいかない。住民に丁寧に説明していく中で試験焼却への理解を得られるよう粘り強く説明していきたい」と話していました。
http://www.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033787641.html?t=1354062425757
 地元住民は、法律にもとづいて、市によるがれき持込の「違法」をついて制止したんだからね。また、報道の「理解を求める」とは、「協定改訂への理解を求める」という意味だけど、住民が目覚めた地域ではそれは決してありえないから、さっさと中止宣言すべきでしょう。
 一方、長岡では商工会や区長会など、地元ボス連がこういうことをやっています。
試験焼却容認の決議書、市に提出 長岡市栃尾地域の商工会など7団体 2012/11/16 19:20 新潟日報
 長岡市栃尾地域の商工会など7団体が16日、東日本大震災で発生したがれきの試験焼却実施を容認する決議書を森民夫市長に提出した。放射能の測定データの公表や安全性の確保などとともに、地域振興策を求めた。市は栃尾地域の焼却場と最終処分場で、試験焼却を予定している。
 提出したのは商工会のほか、区長会、地区建設協会、織物工業協同組合など。市が企画した岩手県大槌町の現地視察に参加したメンバーが中心になった。栃尾地域では8月に、住民らが約1万人の反対署名を市に提出。栃尾商工会の稲田育彦会長は「反対署名はあるが、大槌町を視察し一日も早く処理してあげたいと思った」と話した。
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20121116012402.html
 商工会やら事業組合の本音は、がれき受け入れで動く「カネ」が欲しいということでしょう・・・というか、はっきり「地域振興策」を求めている。保守的な新潟で一万名もが反対署名をしているというのに、汚染物を持ちこんで、どうやって地域振興できると思うのか。これからの地域振興は、「クリーン、脱放射能」でしかありえないのに。また、「区長会」がこういう決議に名前を出すというのも初めて知りました。たとえ、住民全員の賛成でも、このような行動はルール違反っぽい。
日本社会は、そろそろ「自治会」「町内会」「区長会」を見直さないとね。老人たちをそこのボスにつけておいた結果が、日本を原発列島にしてしまったんだから。2012.11.28

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/