改めて問う「子宮頸がんの必要性」

   かくて「ワースト・ワクチン」が確定した子宮頚がんワクチン。その被害に正面から取り組んでいる医師たちの論文集が出ていることを、ブログの読者から教えてもらい、早速、医学誌『神経内科』(Vol.85 No.5、科学評論社)を入手しました。医療専門書なので技術的な説明は理解不能な部分もありますが、それでもいろいろ示唆に富み、非常に貴重な一冊です。

 まず、打出喜義(Dr.小松短期大学)の「産婦人科からみたHPVワクチン」を読み、改めてHPVワクチンの「必要性議論」を思い出しました。私が子宮頚がん問題に注目するようになったのは中国滞在中の2007年後半頃だったと思います。すでに世界各地でサーバリックスやガーダシルの被害が表面化しており、専門家や医療関係者からさえ必要性、有効性、危険性に関する「警告」が出されていました(日本にはその情報は入っていなかった…)。しかし、ワクチン推進側はすべての批判を封殺し、ひたすら「子宮頸がんは危ない」「あなたの大事な人をこの病気から守りましょう」と感情的な訴えを発し続け、ワクチン問題に「目覚めて」いない多くの人々が、この人体実験を受け入れてしまったのです。

 ワクチンが必要な病気とは、伝染性が強い、それに罹患した人の死亡率が高い、治療法がない、治療法があっても治療費が高額、などの条件が考えられます。ポイントはやはり「死亡率」。ところが、この論文によれば、子宮頸がんは死亡率も罹患率も他のがんに比べて低く、逆に生存率は高い方で、「比較的予後の良い『がん』といえる」のだそうです。文中のデータ(2014年)によれば;

                                    女性の「がん」のリスク

  生涯ガン死亡リスク      生涯罹患リスク  十年相対生存率

 大腸がん・・・44人に1人(2%) 13人に1人(8%) 63%*

 肺がん・・・ 46人に1人    21人に1人(5%) 31.2%

 胃がん・・・・60人に1人    18人に1人(6%) 58.2%

 膵がん・・・・63人に1人     43人に1人(2%)   4.8%

 乳がん・・・・70人に1人(1%)      11人に1人(9%) 91.1%

 子宮頸がん・ 312人に1人(0.3%)  76人に1人(1%) 73.4% 

  (*大腸がんの十年相対生存率=直腸がん63.2%、結腸がん62.8%)

 確かに他のがんに比べれば死亡率は高くありません。しかもHPVに感染しても、「その9割ほどは一過性のもので自然に治癒し、持続感染の率は1%以下とされている」し、たとえ「高リスク型HPV」に感染しても、「進行速度は遅く、感染から進行がんに至るまでには一般には十数年を要する」とされています。この点については、日本でも当初から指摘されていました。

 また、子宮頚がんが急速に増加していることを示す根拠も不明。「がん情報サービス(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html)」によると、子宮がん(子宮体がん+子宮頚がん)の患者数の推移は以下のとおりで、胃がんと並び、急激に死亡数が減少してきたのがわかります。

 

 打出氏は子宮頚がんをポリオや日本脳炎、ジフテリアなどと比べ、「(HPVの)感染経路、発症までの時間経過、発症後死亡率のどれを比べても異色の感がしないでもない」と述べています。厚労省がこのワクチンを「定期の予防接種」としたことに対する、穏やかな疑問というところですが、これにHPVワクチンの発生率とそのすさまじさを対比してみると、厚労省の「罪」は否定できません。

 また、HPVウイルスの種類は膨大で、わかっているだけでも約150種類が確認されていますが、その「高リスク群」にカウントされているもののうち、HPVワクチンはそのごく一部、HPV16と18だけに対応していました。

     発ガン性による分類(Wiki)

低リスク群ー6,11,40,42,43,44,54,61,70,72,81,CP6108型[1]

高リスク群ー16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82,(26,53,66)型

 

 少なくとも、死亡率や罹患率、そして「HPVウイルスと発ガンの因果関係」、カバーするウイルスタイプの少ないこと、高額、実際にHPVワクチンで子宮頚がんが減少したことを示すエビデンスが存在しないこと・・・などなどから、私はHPVワクチンは無用の長物、必要性ゼロだったと確信しています。もっとも、そのような批判に答えるかのように、メルク社は2010年ごろまでには、HPV16,18に31,33,45,52,58を加えた9価ワクチンを開発していました。そして2014年12月にはアメリカで、2015年2月にはカナダで、同年6月にはEUとオーストラリアで承認されています。日本では2015年に承認申請しており、今は承認待ち。

 社会が子宮頚がんの被害に学ばなければ、早晩、承認されてしまうでしょう。

 上で紹介した「神経内科」はとてもいい教材なので、今後も少しずつ追ってゆきますが、それにしても、日本人の間でこれほど「がん」がはびこっているのに驚きました。緊急対応が必要なのはむしろ乳がんでしょう。幸い、乳がんにはワクチンはないから、ワクチン被害の心配はしなくていいというのは皮肉ですね。2016.12.21

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/