対話集会の画像が、県HPから削除された

  がれき受け入れキャンペーンなど、行政による情報操作がひどすぎます。マスコミが戦意を煽り立てた戦前と、相当似て来ているのかも。神奈川でも、こういうことが起きているので要注意。赤字山本です。

 「がれき」番組、県HPから削除/神奈川

  2012年2月21日
  県は21日、がれき受け入れ問題をテーマに制作されたテレビ番組を県ホームページ(HP)から削除した。面会した吉田雄人横須賀市長から「反対の大きな声を上げているのは一部の活動家とみられる人たちで、地元には誤解されると困るという人もいる」と伝えられ、黒岩知事が削除を指示した。番組は県の企画・提供でTVKが制作した「復興2012かながわの苦悩~震災がれき受け入れを考える」。知事が被災地を視察した際の映像のほか、県最終処分場がある横須賀市で開催した対話集会の様子などを収録。会場で受け入れ反対を大声で叫ぶ参加者の姿などが映っていた。12日に放映された後、県HPで視聴可能だった。知事は「どの人が地元の人なのか分からないが、誤解を与えるようなら、ただちにHPから降ろすという決断をした」と述べた。http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1202210016/

がれき受け入れ「地元の要請重視を」横須賀市長が黒岩知事に

2012.2.21 22:08

 横須賀市の吉田雄人市長は21日、黒岩祐治知事と会談し、「(受け入れ撤回を求める)地元の要請を重く受け止めてほしい」と要請。対話集会の様子などを映したテレビ神奈川の番組について、「(騒いでいるのは)地元の人間ではない」として県のホームページ(HP)への掲載中止を求め、県は同日、HPから番組を削除した。(中略)終了後、報道陣の取材に応じた吉田市長は「地元は知事からの丁寧な説明を求めている」と話した。これに対し、黒岩知事は「市長の立場は理解した。私自身は東北の復興を支えるため、がれきを受け入れたい気持ちは変わっていない」と、交渉を続ける意向を改めて示した。吉田市長は「反対の大きな声を上げているのは地元の人間ではなく一部の活動家とみられる人たちで、地元を誤解されると困る」と、地元の声を伝える形でHPからの番組の削除を求めたことも説明した。(後略)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120221/kng12022122100003-n1.htm

 上は神奈川新聞、下は産経のネットニュース。これを受けて、1月20日の横須賀会場での対話集会の動画は削除されました。http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f362096/
 吉田市長が知事に会った真の理由はこのためか、とも思いたくなりますが、彼らの行動は警察国家の情報統制と言ってもいい。少なくとも次のような問題があるから。
①横須賀市は発言者の身元を調査した。公安警察じゃあるまいし、勝手に個人のプライバシーを調査するのは違法。
②そのために県のビデオを用いているが、ビデオは税金で作成されたもので、市長ごときが勝手に削除を求めることはできない。納税者の権利を侵害している。
③「地元の人間」しか発言できない、と言いたいようだが、芦名処分場は県営であり、県民すべてがこの問題に対して発言する権利がある。その発言権を否定している。
④「活動家」とは何か? 何の定義もなく、削除は当然だというのは不当な差別というだけではなく、特定の人間に対する人身攻撃であり、公的な立場にあるものとして許されない
⑤「地元を誤解される」とはどのような意味か。これはく「地元」の依頼を受けた行動だと思われるが、市長はその何者かとどのような関係にあり、誰を代弁しているのか。
⑥この動画を削除して、どのような効果を期待したのか。
⑦多数の人が公的な場で自由に意見を述べている動画を削除することは、表現・思想、それに報道の自由を侵すものであり、憲法違反である。
 言っときますが、私だってがれきの広域拡散に反対する「活動家」ですからね。
 アサハカ市長の方は、がれき利権者に頼まれたのでしょうが、TV界出身の知事までもすぐこれを受け入れたのにはあきれてしまいます。不当な差別にあたりるのではないか、くらい考えてよ。そのうち、この件を含め、両氏に面会を求めなきゃ。
 ★ 県はただちに1月20日の対話集会のビデオを復元すべきだ、と言うために。
 なお、横浜集会の動画lでは、私が「根拠法はあんの?」なんて聞いて、環境省が「ありまへーん」と答えているところがばっちり写っている記念碑的なシーンがあるので、時間があればごらん下さい。第3部の半ば。雑音は全部カットされていますが、マイクの争奪戦やそのバトンタッチ、野次などで会場騒然でした。私は眠いのと空腹であまりしゃきっとしていません。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f362096/p431860.html 2012.3.15

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/