同志社の事務方トップ6人が逮捕されたわけ

 こういう見出し→同志社の事務部門トップら6人逮捕を目にして、入試不正のニュースにしては早いな、と思いつつクリックしたら・・・なんと廃棄物関連のニュースでした。いえ、放射性廃棄物や、汚染廃棄物の話ではありません。量も一トン足らずと少ない。

  京都市に無許可で大学施設内の一般廃棄物を収集運搬したとされる事件で、京都府警は19日、廃棄物処理法違反(無許可収集運搬)の疑いで、学校法人同志社の子会社「同志社エンタープライズ」社長を務める法人事務部長、北幸史(ゆきふみ)容疑者(57)=奈良市=や建物管理会社「コスモスビルメンテナンス」役員、吉田多郎容疑者(68)=京都府亀岡市=ら6人を逮捕した。法人事務部長は、学校法人同志社の事務部門のトップ。捜査関係者によると、同志社エンタープライズ社は学校法人同志社から一般廃棄物の収集運搬を受託。コスモスビルメンテナンスが実務を担当していたという。両社はいずれも市の収集運搬業の許可を得ていなかった。逮捕容疑は、平成27年11月27日、同法人が運営する同志社大学今出川キャンパスなどの大学施設内で廃棄された紙くずなどの一般廃棄物約900キロを市の許可を受けずに収集し、同市伏見区の市南部クリーンセンターに運搬したとしている。

 それで6人も逮捕された?それも事務職トップばかり?ふ~ん。
 大学から出るごみは、一般家庭のものとルートも量も違うはずで、京都市がちゃんと管理監督していれば、簡単にチェックできたはずですが・・・。
 大学は一般家庭ではなく、「事業所」なので、そこから出た廃棄物(産廃及び事業系一般廃棄物)は、自己責任で「適正処理」することが求められています(廃棄物処理法)。もちろんその過程で、減量、分別、リサイクルにも取り組まなければならず、第三者に処理をまかせる場合、許可を得た業者に委託することも「義務」です。

 このような事業系一般廃棄物は、少し前までは、多くの自治体がサービスとして収集処理していましたが、これはれっきとした廃棄物処理法違反でした。現在は、おそらくほとんどの市町村が、「事業系ごみは収集しない」とし、違反者には過料を課しているところもあります。京都市も事業系ごみは一般廃棄物として収集していません。京都市:事業ごみとは

 これは、大学の事務方なら知らないはずはないし、そのルールを無視すれば、普通の市なら行政指導をくりかえすはずです。従って、今回の逮捕までに、同志社は長期にわたり、日常的に無許可収集運搬を行っていたこと、さらに、逮捕された面々は、大学側と受託側の双方代理として、費用を水増しし汚職を行っていた可能性もあります。そこには、大学の「お家騒動」も隠れているかもしれないし、他の大学への見せしめもあるかもしれない…と想像をたくましくしてしまいました。いえ、「廃棄物」はすべての問題のカナメです。原発だって廃棄物から取り組めば、撤廃への道筋がもっとはっきりする。2016.1.19

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/