危ない広域連合

  偶然みつけたこのニュース。全国で都道府県広域連合の設立が進められていると思いますが、これは、その構成自治体の住民を無視した政策決定k機関で、自治法に抵触します。それは、たとえば関西広域連合が、完全に民意を無視して大飯原発の再稼動を容認し、そこから再稼動に至った例をみればあきらか。がれき広域処理でもそうでした。勝手に自治事務にくちばしをはさむという越権行為をしている。もともと、住民の付託もないまま設立された国家組織であり、その目的は行政の民営化です。
 中国地方5県、広域連合の枠組みに合意 中国地方連合誕生へ!
2012/06/04(月)
  広島、岡山、山口、島根、鳥取の5県知事は1日、中国地方の広域連合を設立することで合意した。国の地方出先機関の権限移譲の受け皿になり、5県にまたがる広域行政分野の実施主体になる。2014年度までに設立し、まず中国経済産業局からの権限移譲を当面の具体的な目標にする。
広域連合の設立は山口県岩国市で同日開いた中国地方知事会で合意した。今後、広域連合長の人選や本部事務局、広域連合議会の設置などについて詳細を詰める。
  事務レベルで協議してきた中国地方整備局や中国四国地方環境事務所については引き続きの検討課題とした。国の移譲対象に入っていない厚生局や運輸局、農政局についても将来の移譲を視野に検討する県境をまたぐ広域行政についても各県から広域連合に事務を移行する方針。まずは広域防災と広域医療の2分野を対象とする。 防災分野では広域防災計画の策定や防災訓練、救援物資の共同備蓄などを対象とし、医療分野では広域ドクターヘリの運航調整などを担う。ヘリコプター運航で調整が必要になる政令指定都市、広島、岡山2市の将来的な広域連合への参加も議論する。鳥取県の平井伸治知事は「観光や地球温暖化対策なども広域連合が扱う対象として加えてはどうか」と提案。このほか中山間地振興策の共同研究なども広域連合が手掛ける業務の候補にあがった。こうした分野については今後検討する。持ち寄り分の事務の運営費は広域連合に参加する各県が負担。国の出先機関の移譲を受ける分は、国に財源確保を求める
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO42102630R00C12A6LC0000/
 この首長たちは、都道府県広域連合が中央政府の下請けで、業務を合理的に民間に流すだけの組織だということも気づかんのか。そして、都道府県は事実上、空洞化され、市民の血税は新たな広域行政組織に回され、その使途さえもチェックできなくなるという仕組み。
 関西広域連合の委員会議事録を公開請求したところ(公開請求第一号でした)、ほとんど墨塗りでした。こうして、決定と課税だけを住民に押し付け、決して説明しないというのが広域連合なのです。なぜ? 説明すると裏がばれるから。どうぞ、各地域の皆さんこの設立の動きにご注意を。できてしまうと、非常に面倒なことになるので、作らせないようにしてください・・・一番困るのは都道府県職員なのにね。2012.8.13

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/