伊東のメガソーラー、まだ止められる

再エネ問題近況報告その②はメガソーラー。東伊豆にとんでもない規模の事業が計画されています。でも、そこは、これまでにも「風力発電」のせいで人々が別荘地から逃げ出したという噂のある東伊豆。事業者はおそらく、「誰も反対しない」ことを知っているのでしょう。以下、マーカー部分山本。

メガソーラー計画を許可 伊東市長「審査延ばせず」

2018/2/17 07:54 http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/458771.html

伊東市の小野達也市長は16日、市役所で記者会見し、同市八幡野地区で進む大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置計画について、市が管轄する宅地造成等規制法に基づく事業許可を認めたと明らかにした。許可は15日付。設置には県と市の法的許可が必要だが、残すは県の森林法の許可のみになった。
 小野市長は「計画撤回へできる限りのことをやったが、市の力が及ばなかった。市民の思いが届かず悔しい」と語った。事業者から提訴されれば敗訴が明白だったとの見解を示し、「これ以上、審査を延ばすことはできなかった」と述べた今後は工事や発電事業による災害に備え、事業者と地元住民との間で、補償を含めた協定を結ぶように呼び掛けていくという。一方、伊東メガソーラー建設の中止を求める会の関川永子代表(50)は「住民無視の姿勢を感じる。市には強く抗議したい」と述べた。許可の取り消しを求めるため、反対団体で連携して3月ごろに住民訴訟を起こす見通しを示した。県は3月に予定する県森林審議会で事業許可について検討する見込み。事業者は県の許可を受けた後、4~5月ごろの着工を目指しているという。

 

 う~ん、何といったらいいか。これは行政の「ウソ」と、メディアの不勉強がないまぜになった記事です。

 以下、上記マーカー部分をちょっと解説します(ちなみに、この解説は風力発電にも共通するので、そのつもりで)。

①「残すは県の森林法の許可のみ」・・・これを聞くと、県が森林法の許可を出せば着工は止められないと思う人が多いのでは? でも、実は地元自治体のレベルでまだやれることはたくさんあります。

②なのに、それを否定しているのが市長の「これ以上審査を延ばせば提訴され、敗訴が確実」という言葉。たとえば、この事業は100ha以上と非常に面積が広いのですが、これだけ広いと、必ず市道や林道、里道が通っている。それらの所有権、使用権を手放さなければ、ほとんどの開発は簡単に止まります(山本が得意の戦法…ほかにもあるけど)。市がそのことに触れないのは、裏で「事業OK」を出しているという意味。そして市民運動がそれに触れないのは、単なる無知か、利害関係者に食い込まれていることを意味しています。

③そして、この件で住民訴訟(=行政訴訟)を起こしたって無駄。だって、弁護士は行政法を知らないし、裁判所は任命権者(=広く言うと、政府)に楯突くような判決は書かないから、ほとんど負けが決まっているといっていいからです。・・・一度でも、自分で行政訴訟(本人訴訟)を起こしたことがあれば、日本の裁判所は行政の出張所に過ぎないことがわかるでしょう。

 ということ。なので、私は伊東の計画は十分止められる可能性はあると考えていますけどね。あ、山形の「風車」もね。2018.3.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/