交通違反の兵庫県知事、産廃事業でも違反

もひとつゴミ問題。私は今、赤穂市と上郡町にまたがる「産廃処分場」計画にかかわっていますが、その内実がひどい・・・

なぜなら、産廃大手の大栄環境によるこの計画が表面化する前から、井戸知事は事実上の「ゴーサイン」を出しているからです。

もちろん違法ですよ。事前取引があったと考えられるし、刑法犯が疑われる。でも、この総務官僚出身、知事5期目の高齢政治屋は平気の平左。こんな↓事件まで起こしていました。

交通違反の井戸知事「ゴールド免許でなくなるの残念」 会見で反省

 兵庫県の井戸敏三知事は10日の定例会見で、10月末に転回禁止に指定されている道路でUターンし、交通反則切符(青切符)を切られたことについて、「明らかに私の不注意でミス。しっかりと反省したい」と述べた。井戸知事は違反について、「従来通ったことのない道に行き着き、Uターン禁止(の標識)を見過ごしてしまった」と経緯を説明。反則金は既に納付したとした上で、「何十年も続けてきたゴールド(免許)でなくなるのが残念。自分の不注意を悔いている」と話した。捜査関係者によると、井戸知事は10月31日、私用で乗用車を運転中、神戸市中央区の転回禁止が指定されている交差点でUターン。パトロール中の葺合署員に交通反則切符を交付されたという。事故などは起こしていないという。

 パトロールが現行犯を押さえていなかったら、絶対に「なかったふり」で通したでしょう。だって、「ゴールド免許でなくなるのは残念」というのが反省の弁だから、実際は何も反省していないことになる。

 彼の不遜な態度は、産廃計画によ~く反映されいます。

 たとえば、担当部課長らと事業について話合う中で「(反対している近隣自治会に対し)処分場が見えないように樹を植えたらいい」「(大栄環境は)しっかりしている」「(進入道路は)~~すればいい」など、事業に関して具体的な指示ととられる発言をしていました。でも、その「秘密資料」が明るみに出ると、関係者は貝のように口を閉じ、資料をすっぱ抜いた山本を非難する始末(…こっちは当日の録音と一部録画、写真があるもんね)。しかも、事業者が市民にも知らせず、違法に計画地にモノレールを敷設し、森林を無断で伐採するのを、知事サイドは見逃していました。山本はこの件を、現地の反対団体と共に警察に告発しましたが、行政と通じている警察はこれを立件せず。…警察の沈黙、知事の暗黙の了解の元、事業は刻々と準備が進められており、今は国土地理院までまきこんで、地図を改ざん(予定地に至る「徒歩道」を削除した)した疑いが浮上しています。

 みなさんに知っておいて欲しいこと。

 大型公共事業(特に原発、再エネ、廃棄物関連)は、計画が表面化するまでに、根回しはほとんど終わっています。特に、兵庫県のように「天の声」(=知事発言)が出ている場合(=「知事案件」)、議会、司法、商工会、廃棄物(本件の場合)業界、地元自治会、関係団体(自然保護団体含む)などを巻き込んで全面的な下工作が行われます。もちろんその過程でカネが動き、多くの違法が行われる・・・これが「土建国家」日本の行政の公共事業のやり方なんですね。だから長期政権はよくない。どの自治体も、首長も議員も、せいぜい二期で止めるよう条例を改定すべきです。

 行政側は何十年もかけてその手法ーー騙す技術ーーに磨きをかけてきましたが、市民の側はいつまでたっても「初めて」「寝耳に水」という状態。当然ながら、法的知識もなければ行政への対応法も知らない。そこに、「大丈夫だ、いざという時は訴訟を起こせばいい!」なんて人が出てきたりする。行政訴訟の9割以上が市民の負け、しかも証拠は採用されないという、最低限度の知識もない人です。「無邪気」は運動に何の役にも立たないどころか、危険でさえあることを知っておきましょう。

2020/11/15

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/