中国の焼却炉「暴動」続き

 前記事の続き。アップが遅れましたが、サウスチャイナ・モーニングポスト(英字紙)は9日、ごみ暴動事件の顛末を↓(概要)のように伝えています。警察車両を襲う住民、半武装の警官隊、それと対峙する住民の写真つき。
http://www.scmp.com/news/china/article/1761261/incinerator-plan-cancelled-after-thousands-join-violent-protests-chines(Incinerator plan
cancelled after thousands join violent protests in Chinese town)


 広東省西部の羅定市は住民の抗議行動を招いた焼却炉建設計画を中止した。抗議には約1万人が参加、三台の警察車両がひっくり返され、警官が襲撃された。
 羅定市政府は水曜日、二通の文書をネット上で告示した。一通は、朗塘鎮政府は華潤セメントとの間でとりきめていた焼却炉計画の中止を決定したと伝えるもの、もう一通は、住民に道路封鎖や財産の侵奪、公共の秩序の混乱をやめるよう求めるものだ。
 この決定は、住民と警官隊の間で起こった激しい抗争を受けたものだ。住民は、平和的な抗議行動をしていたのに、警官が暴行を加えた、という。
 「みんな怒っている。住宅地から1キロも離れていないのに、なぜここなのか」「セメント工場は公害物質がすごい。ここに新たな公害施設は要らない」と、ある若者は言う。
 月曜日、華潤セメント工場前で行われた座り込みには約1000人が参加したが、その住民らを黒いシャツを身に付け、ヘルメット、盾、警棒で武装した警官隊と会社のガードマンの混声部隊が襲ったという。
 「うちの姪は14歳なのに、警棒で殴られてまだ脳震盪を起こしている」
 「平和な筋の通った抗議活動をしていたのに、無防備の住民にあんな暴力を振るうとは、乱暴だし、まったっく不必要なことだった」ある住民は述べる。
 この日の座り込みに対する警官隊の暴行が抗議活動の拡大を招き、火曜日には1万人もの住民がかけつけることになったという。

 抗議行動が暴動になったわけですが、おそらく、この計画のウラには、特定企業と地方政府の腐れ縁があるのでしょう・・・でも、中国では悪いことをした公務員、特に幹部はちゃんと処罰されるし、下手するといろんな資格も剥奪されます。ところが先進国・日本では、中央省庁が最大の腐った卵、地方政府には無知と無恥が加わり、議会は無能で手のつけようがない。まったく正義が通らない社会なのです(だから「原発再稼働」という狂った流れになる)。
 今日(10日)も横須賀市に行ってきましたが、なんと市は、焼却炉計画のために西武から買い取った土地約40ヘクタール(必要面積の十倍以上)内の、市道の廃止手続きも進めていることが判明しました・・・市民には何も知らせておらず、道路法違反。市長の犯罪です。これじゃ横須賀の人口が激減するのも不思議はないわ~~~2015.4.11

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/