カリフォルニアのワクチン強制法案SB277、下院へ

 NVIC(全米ワクチン情報センター、http://www.nvic.org/)から、カリフォルニア州のワクチン強制法案、SB277が成立しそう、というアラームが入りました。
 SB277については、ここ⇒ワクチン強制法案SB777が、不正なやり方で通過した件 (04/25)、ワクチン強制法案へ反対する市民たち (04/23)で書いたとおり、ワクチンを拒否する市民の権利を剥奪しようという法案で、すでに上院を通過しています。
 それが今、下院にかけられていますが、下院は健康常任委員会のヒアリング1回だけの「ファストトラック」で通過させようとしていることがわりました。ファストトラックとは、前工程が計画通りに行かない時、見切り発車で次の工程を開始して期間短縮をはかることで、医療や公衆衛生関連の事業には絶対避けるべきやり方です(薬害事故につながる)。

 この健康常任委員会で法案が採択されれば、次の下院全体会議ではすんなり通過するのが普通で、あとは知事の署名で法律は成立し、「ワクチン強制」が可能になります。それ以後、信仰や信念にもとづいた「良心的拒否」は認められなくなるため、ワクチンを避けようと思えば、①ワクチンを打てない医学的理由を認めた医師の診断書を得るか、②公教育をあきらめて私学に通わせるかホームスクールにするか、しかありません。でも、ワクチン先進国・アメリカでは、「ワクチン免除」証明書などを書いてくれる医師はごく少数、私学はえらく高額…で、多くが泣き泣きワクチンを受け入れるのではないでしょうか。抵抗しない限り。

 この動きの裏には医薬産業界の強い圧力があるのはもちろんで、全米のワクチン反対勢力が、それに対する抵抗を呼びかけています。NVICも、↓のような情報を拡散し、カリフォルニア在住の市民に、議員への働きかけを呼びかけています。

  • SB277は科学的な証拠にもとづいていないし、州の利益にもならない
  • SB277は親権と人権を侵害する
  • SB277はワクチンによる障害のリスクを子どもに求める一方、製薬メーカーや医師はワクチン製造や接種の責任から免除されている
  • SB277は、ワクチン拒否の子供たちを差別し、カリフォルニア憲法が保証する公教育をうける権利を侵害している。また、
  • SB277は実施、強制にあまりにも高額な費用がかかる

 このワクチン強制法は「伝染病はワクチン未接種者が広げる」という、完全な誤解(あるいは意図的な誤導)をもとにしたもの。2014~2015年にアメリカでおきた、はしかや百日ぜきのケースでも、ほとんどの患者がワクチンを受けていたのです。そのデータは勉強会などで説明していますが、念のためNVICの原文*を下につけておきます。その他の情報は、hereNVIC Advocacy Portalからダウンロード可。

 山本が見る限り、この法律は憲法、国連人権条約に違反するはずで、まだ反撃の余地は十分あるはず。アメリカ在住の方からも何通かコメントをいただきましたが、たとえば、カリフォルニア州の市民権侵害と金銭的負担につての会議( Assembly for civil rights
violations and financial impact)
において見直しも可能なようなので、NVICなどと連携して、この狂った法案をつぶして欲しいと思います2015.6.4

* Out
of
136 measles cases reported in the state in 2015, only 18 percent were in school-aged children while 55% were in adults and 30 percent of all cases with vaccine records had been vaccinated. In 2014, out of 8,200 pediatric pertussis cases with vaccination records reported in California, 90 percent had been vaccinated. The
2015 California measles outbreak associated with Disneyland only
affected 0.00035% of the state’s population and was successfully
contained without eliminating non-medical vaccine exemptions.

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/