やがて石油の雨が降る・・・(メキシコ湾原油流出)

 メキシコ湾の原油流出事故について、日本で権益を持つ三井石油開発の記事 BP社の深海原油事故、三井はどう責任とる? (05/29) に訂正が入っています。
 「今回の事故鉱区の権益(石油開発をする権利の比率)は15%でなく10%です」
 ご指摘、ありがとうございました。三井のサイトにはたしかに10%と書かれているのですが、いくつかの米のニュースに15%とあったので、とりあえずそちらを採用したものです。また、同社の海外での名称「MOECO」も、業界人でないとわからないと思い(私も含め)、「三井石油開発」としました。なお、同社からは私の質問に何の返事もなく、サイトにも続報はありません。
 
 でも6月3日付けで メキシコにおける天然ガス火力発電事業の買収完了について という記事がありました。私はエネルギー問題はまったく門外漢ですが、海外でのこうしたエネルギー開発は、いったいぜんたい、日本の身の丈にあっているのだろうか、との素朴な疑問を感じます。欧米では石油開発企業は最大の環境破壊者として、環境NGOによく攻撃されていますが(アフリカの石油開発なんて、ひどすぎ)、油田がない日本では、そのすさまじさがわからないのかもしれません。
 コメントくださった方は、MOECOの株式を日本政府が2%持っているので、この事故のつけはやがて国民にもまわってくるだろうとの予想です。でも、お金で片づけばまだいい。海底油山の爆発は、お金で止まるわけじゃなし、どうなるんでしょうね・・・ほんとに。
 夏をむかえ、メキシコ湾はこれからハリケーンや竜巻のシーズンに入ります。原油回収の作業員が気分が悪くなり入院したとのニュースもありますが、海にただよう油を吸い上げた低気圧が、アメリカ南部に油の雨を降らせたら、いったいどうなるのか? 「限りなき発展」を根底から見直すべき時期ではないか、と思います。2010.614

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/