はしかワクチン、パパにも危険

 9月5日、東京・銀座での「はしかワクチン」勉強会、質疑も多く、もりあがりました(暑い中、来てくれてありがとう!)。当日、話を聞いた人は、こんな脅し記事↓にうろたえることはないでしょう。

はしか 20、30代は要注意 空港や催しで感染広がる

201696http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201609/CK2016090602000166.html

 ・・・岐阜市の矢嶋小児科小児循環器クリニックは成人向けの接種をメールマガジンで呼び掛けたところ、十一人が訪れた。予防接種を受けた同市の男性会社員28は「看護師の妻から、大人がかかると重い症状が出ると言われ、四カ月の長男にうつさないために来ました」と話す。接種歴は一回。妻の妊娠時に受けた抗体検査でも低い数値で、うつりやすいと分かったという。女性会社員37は「母子手帳をなくし、接種を受けたか分からないので打っておこうと思いました」と話す。矢嶋茂裕院長58は「集団感染が起きたからと動くのではなく、母子手帳などで接種歴を確認し、きちんと接種を受けておくことが大切」と指摘する。

 二〇一五年、日本は世界保健機関WHOから、国内に土着するウイルスによる感染がなくなったとして「排除状態」の認定を受けた。国立感染症研究所(感染研)によると、同年の感染者数はわずか三十五人だった。感染研によると、今回は海外から持ち込まれたとみられるウイルスが、まず関西国際空港(大阪府)職員の間で広がった。さらに、八月十四日に千葉県の幕張メッセであったコンサートに行った兵庫県の男性19や、八月二十六日に東京都立川市であったアニメイベントを訪れた客がその後、感染していたことが判明。関空の対岸にある商業施設を訪れた三十代男性も感染が確認された。すでに一五年の感染者数を上回り、感染の広がりが懸念されている。はしかは感染力が非常に強く、空気感染や飛沫感染などで、同じ時に同じ場所にいただけでも感染する恐れがある。感染の発生場所にいて、十~十二日後に発熱した場合は注意が必要だ。根本的な対策はワクチン接種だが、免疫が弱く感染のリスクが高いのは、二十六歳前後から三十代後半の子育て世代だ。

 国内では一九七八年十月からワクチンの定期接種が始まり、主に一~六歳児に一回の接種が行われたが、時間の経過とともに免疫が弱くなっている。九〇年度以降生まれの人は、国の臨時対策や風疹との混合ワクチン(MR)で二回接種を受けている。逆に五十代以上は子どものころに流行し免疫がある可能性が高い。ただ、どの世代でも未接種の人はいるため確認が必要だ。矢嶋院長は「リスクが高いのは子育て世代なので、家族のことを考えてワクチン接種を受けてほしい」と話す。ワクチン接種希望者は、小児科のある医療機関にMRワクチンの在庫があることが多いので、問い合わせを。費用は一万円前後。

 

 あまりにもいい加減な記事なので、マーカー部分に関し、簡単に反論しておきます。順不同

 1 ワクチン接種が根本的な対策(はしかにかからない)というのは真っ赤なウソでしょう。アメリカの「はしか流行」でも、罹患した人の多くは1回~3回の接種済みでした。このことは当ブログで何回も書いてるし、有名な話なので検索してみて。日本では厚労省HPには統計はないし(かなり詳しく探せば出てくる)、学術論文などは作為を感じるものばかりで、データそのものが信用できない。

 2「国内では1978年に定期接種が始まり・・・」とありますが、今と違って当時は「義務接種」だったこと、しかも当時は一回で「終生免疫がつく」とされていたことくらい、調べて、書いて。なお、「時間の経過とともに免疫が弱く」なったのは、人工的なワクチンではそもそも「免疫」はつかないからです(抗体はできる)。

 3「九〇年度以降に生まれた人はMR二回接種を受けている」・・・大事な事件を省いていますね。1989年、それまで個別接種だったはしかワクチンは、三種混合ワクチンMMR(はしか、おたふく、水ほうそう)に切り替えられますが、このMMRを打たれた赤ちゃんが、次々に、発熱、嘔吐、項部硬直などから、難聴、小脳失調症、急性脳症、てんかん、知的障害などを発症した事件でした。被害者は被害団体の調べで約1800人、厚労省の被害認定数も1041に登り、わかっているだけで当時6人が亡くなっています。フォローしていたら死者はさらに増えていたでしょう・・・当時、世界最悪のワクチン被害でした。

 4 これに怒った全国の親たちが、ワクチン被害の補償と、危険なワクチン停止を求めて全国的運動を展開。それでも厚顔厚労省は接種を続行していましたが、一部の親が事件を提訴するにいたり、1994年、ようやくMMRを中止します。予防接種法を改正して「義務接種」を中止したのもこの事件の結果。でも、それまでに四年もかかっている。この事件が起きたとき子どもだった人々が、今、20代、30代の「ワクチン未接種」世代で、そこがワクチン・ビジネスのターゲットとして狙われているわけです。・・・歴史を知らないとだまされる。

 5このMMR禍事件を受けて(原因はおたふくワクチンとされたー詳細略)、日本のワクチンメーカーはMMRをあきらめ、MRにしたのです。でも、厚労省がMRを定期接種としたのは2006年(この時から2回接種になった)、つまりMRの歴史はまだ十年にしかなっていません。そして、この間、MRワクチンでも多くの被害が起きています(山本の話を聞いた人は「そりゃ当然」とわかるでしょう)。

 過去11年間、はしかによる死者はゼロ。その間、ワクチン被害は823件(死亡5含む)、うち「治癒」はわずか200件。

 はしかとはしかワクチン、どちらが怖い?

2016.9.12

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/