がれき阻止した地域と、できなかった地域、その違いは?

 アップが後になりましたが、富山市は処分場にがれき焼却灰を強行搬入してしまいました。
がれき試験焼却灰、住民ら一時搬入阻止 処分場前で猛抗議--富山
毎日新聞
 12月19日(水)16時50分配信
 富山地区広域圏事務組合(理事長=森雅志・富山市長)が受け入れた岩手県山田町の東日本大震災の災害廃棄物(震災がれき)の試験焼却灰を巡って、18日、富山市山本の最終処分場前で住民団体による抗議活動が行われ、約10時間に渡って搬入できなかった。 抗議活動を行ったのは付近住民らでつくる「池多の自然環境・生活環境と池多の子どもの未来を守る親の会」(中山郁子代表)ら反対派約20人。この日朝から「ガレキの持ち込み絶対反対」などと書かれたプラカードを持ち、処分場に通じる道路に集結。処分場手前約200メートルの地点で同組合の車や焼却灰を積載したトラックの通行を阻止した。同市職員の説得にも「池多の住民に説明して」「安全とは言い切れない」などと抵抗。途中、富山西署の署員が「道交法などに抵触するおそれがある」と警告したが、住民側は一歩も譲らなかった。このため、同日午後7時ごろ、トラックの周囲を職員らが囲んで住民側のバリケードを突破した。また、この日予定されていた地区住民を対象とした見学会も中止した。中山代表は「一度でも認めたら際限がなくなる。最低限、池多地区での説明会を開いてから持ってくるのが筋ではないか」と訴えた。これに対し、処分場を管理する同市環境センターの山城正之・管理課長は「測定でも安全性は高いとの結果が出ており、理解してほしい」と話していた。試験焼却は16~17日、立山町末三賀のクリーンセンターで、木くず中心の震災がれき約25トンを一般ゴミ約800トンと混ぜて焼却した。同組合が焼却灰の放射性物質を測定した結果、基準値以下だったため、同処分場に埋め立てることにしていた。【青山郁子、大森治幸、成田有佳】12月19日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121219-00000245-mailo-l16
 がれきを水際阻止した新潟市の住民と、それができなかった富山市。その違いは「公害防止協定」を生かせなかったことにあるような気がします。それは、お隣の石川県・輪島市の例に照らしても明らか。輪島では、数人のお父ちゃんたちが、とても効率よくがれき搬入を阻止しています。

がれき受け入れ 輪島市長と住民との協議、平行線 試験焼却同意なく/石川
毎日新聞 1222()1653
分配信
 輪島市が東日本大震災で発生した岩手県内のがれきの受け入れを進めていることに対し、市のごみ処分施設の周辺住民が反対している問題で、同市の梶文秋市長は20日夜、住民側と協議した。梶市長は既に市内に搬入済みのがれきの試験焼却への同意を求めたが、住民側は放射性物質への不安などから市長の要請を拒否。協議は平行線に終わった。受け入れに反対しているのは、がれきを焼却する市のごみ処分施設「輪島クリーンセンター」のある同市美谷町の住民。同町の立壁政義区長によると、20日の協議では梶市長が試験焼却の実施への理解を求めた。しかし、住民側は放射性物質の影響を懸念し、試験焼却だけでなく受け入れ自体の断念を市側に要請したという。立壁区長は協議後、「住民の反対の意思は強い。市は受け入れを断念してくれると信じている」と話した。梶市長はこの協議についての見解を明らかにしていない。輪島市は今月7~8日に岩手県宮古市のがれきの試験焼却を予定していたが、住民の反対で延期していた。【宮本翔平】12月22日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121222-00000282-mailo-l17
 記事はふれていませんが、輪島住民は土地使用の「契約書」と、公害防止のための「協定書」をてこに反対しているのです。これらの文書は、地域を汚染から守るための「契約」であり「法令」に準じるもの。その重みを理解しているか否かが決定的な意味を持っており、
それを生かせなければ、今後も「健康で文化的な最低限度の生活」なんて望めないから。富山で本焼却をとめるには、住民が問題を根底からとらえ直さないとね。2012.12.24

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/