「鎮火」したのに線量アップ!福島県の森林火災

 5月10日午後、浪江町の森林火災は「鎮火」したと発表されましたが、線量は跳ね上がっています!

 福島県の線量モニタリング結果(https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ps-kukan-monitoring.html)によると、

〇浪江町井出地区の林野火災は平成29年5月10日15時05分に鎮火となりました。 

〇浪江町井手地区の林野火災について(第12報)【平成29年5月12日】

 5月5日より火災現場である十万山近傍3箇所に可搬型モニタリングポストを設置し、連続測定を実施しております。可搬型モニタリングポスト及びサーベイメータによる測定結果は、昨日と比較して変動はありません。従前より火災現場周辺に設置してあるモニタリングポストでの空間線量率の測定結果については、火災前と比較して大きな変動はありません

 昨日(5月11日)における十万山近傍での大気浮遊じん(ダスト)のセシウム137の測定結果は、0.80~15.55 mBq/m3の範囲でした(これまでの最大値は5月8日の7.63mBq/m3この原因については、現時点で判断することはできませんが、今後、これらのデータと林野庁主導で実施する動態調査の結果を踏まえ、有識者の意見を聞きながら、火災による周辺環境への影響の評価を行う予定です。なお、既設モニタリングポストに設置してあるダストモニタにおける変動は、確認されていません。

 つまり、鎮火後、線量はこれまでの最大値の2倍になっているのです。おそらく、火災で発生した微粒子のうち、比較的大きくて重いものが周辺に落下し始めているのではないでしょうか(PM2.5は非常に小さいため、もっと離れたところまで飛散する)。雨が降ると、雨に混じって落ちるし、今後も被ばくには十分注意が必要です。

 なお、火災現場周辺の既設モニタリングポストの測定値は、火災前と比較して「大きな変動はなし」、既設ポストのダストモニタの変動も「確認されていない」というのは腑に落ちません。双葉町の石熊公民館では「機器調整中」であきらかに欠測があった模様だし、そこが8日には7.63mBq/kgという最大値を記録しているからです。資料はこちら↓

林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第12報)  [PDFファイル/695KB]

また、過去の資料も一括してあげてありました!
過去の公表資料

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第11報) [PDFファイル/642KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第10報) [PDFファイル/624KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第9報) [PDFファイル/605KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第8報) [PDFファイル/629KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第7報) [PDFファイル/617KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第6報) [PDFファイル/567KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第5報) [PDFファイル/519KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第4報) [PDFファイル/436KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第3報) [PDFファイル/686KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第2報) [PDFファイル/874KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第1報) [PDFファイル/480KB]pdfアイコン

※なお、第13報については、5月13、14日の結果を取りまとめ、5月15日(月)に公表いたします。

 

 これは当ブログの読者のみなさまや、市民が圧力をかけて下さったからではないかと思います(ありがとう!)。とにかく行政には、「不都合な情報は隠す」という悪い癖があり、市民がうるさく言って矯正する必要があります。いずれにしても、線量が収まるまで、火災が正式に収束したとはいえず、行政は定期的に記者会見するなどして、市民の注意を喚起する必要があります。だって、福島県は、放射能汚染を恐れて逃げ出した人々を呼び戻したいんでしょう? だったら、事実を隠すんじゃなく、事実を知らせるという、最も根本的なサービスをすべきです。2017.5.13

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/