「福島汚染砕石」の元記事削除について

読者から福島の汚染砕石が茅ケ崎に! (06/27) の元記事が削除されていると連絡がありました。

見ると、以下の説明と共に、全文が削除されていました。

「この記事は間違い、早合点でありました。茅ヶ崎在住の読者様からアドバイスがあり、これは新市庁舎建設の際に発生した残土であることが分かりました。謹んでお詫び申し上げます。2020年6月29日」

 ふ~ん。ほんとかしら。それで全文削除?

 この件、山本は以下のように考えます。

 ★福島市JR敷地に置かれていた黒フレコンの山が「消えた」のは事実のはず。茅ケ崎市に出現した黒フレコンが福島のものでなかったのなら、その部分だけを削除すればよく、全文を削除する必要はない。

 ★それに、「茅ケ崎市のフレコンは福島のものではない」ことがどうやって証明できたのか不明。それでなくても、福島の汚染物に関しては情報隠蔽と欺瞞が多く、その中でひそかに汚染物が各地に拡散されてきている。

 ★一方、茅ケ崎市の黒フレコンは「福島砕石」だと断言している元記事は一種の内部告発。調査不足は否めないけど、市民の発言としては貴重で、保存しておくべきだと思い、めったにしない「他人のブログ転載」したわけ。

 ★ちなみに、茅ケ崎市の新市庁舎再整備事業は、2013年から2020年まで。全体を三期に分け、13年から16年に本庁舎建設工事、17年度に旧本庁舎解体工事、18年度には市道や広場整備事業が行われている(https://www.townnews.co.jp/0603/2018/06/15/436186.html)、

 ★問題の黒フレコンがどの工事で発生したのか不明だが、「新庁舎建設」の際に出たというなら、新庁舎が供用開始された2016年1月1日(茅ヶ崎市役所新庁舎 1月4日から供用開始 窓口フロアに …)から、すでに4年も放置されていることになる。いずれにしても茅ケ崎市はその発生について説明責任がある。

 みんな忘れたフリをしているけれど、福島の土壌やガレキ、砕石は、「環境省の政策」にもとづいて、相変わらず日本全国の「公共事業」に使われています。実際どこにどれだけ使われているかについては、市民には知らされず、記録もなし。当然、市民が聞いても完全否定されるだけ。…従って、元記事を私が転載することで、何かが起きるかもしれないとは予想のうちでした。

 下に「福島の汚染砕石」のニュースをいくつかあげておきます。ほとんどの人は、放射能汚染は過去の問題と思っているかもしれませんが、原発事故は終わっていないし、将来もずっと続きます。だからこそ、行政と事業者はこの問題を闇の中に葬ったままにしておきたいのです。

福島「放射能汚染砕石」マンションだけじゃない!全容把握は困難 …

福島・二本松市でわかった砕石の放射能汚染問題がさらに広がりを見せている。問題の砕石はマンション建設以外にも何か所かで使われていた。砕石場は福島第1原発から約20キロ、計画的避難区域だが警戒区域にごく近い。ここで採掘された砕石5200トンが生コン会社2社 と建設会社17社に出荷された。期間は昨年(2011年)3月11日から4月22日まで。それ以後は区域指定で立ち入りできなくなった。問題は砕石の行き先だ。

 〈林道や農業用道路にも使用〉 汚染砕石を使った二本松市内のマンションで高い放射線量が見つかったのが発端だ。マンションの12世帯のうち10世帯が放射能汚染を逃れてきた人たちである。「市役所に相談したが、国や県がやらない限り動けませんということだった」という。  施行業者は「考えてもみなかった。寝耳に水でびっくりです。線量を下げることが可能かどうか」と話し、砕石業者も「放射能のことは考えてもいなかった」という。 砕石の行方をたどると、マンション業者は同じ砕石を使って農業用水路を作っていて、コンクリートの表面から毎時1.6~1.9マイクロシーベルトという高い値が検出された。他の業者は135トンを仕入れ、31トンを小学校の通学路舗装に使用したが、ここは平常値だった。「アスファルトが4センチ覆っているから」だ。砕石は林道や農業用道路などにも使われていたが、全容の把握はできていない。(後略)

2012/01/17 – 【マンション高線量問題】汚染砕石 どこに 県民不安、業界怒り 「対策どうする」「風評心配」…

 計画的避難区域設定前 … 福島県及び県内関係市町村による測定結果(平成24年1月26日)二本松市による測定 …

2012/02/16 –福島県と経済産業省は15日、放射性物質で汚染された砕石やコンクリートを工事に使用していたマンションや一般住宅など県内約1100カ所のうち、これまでに調査した約150カ所の放射線量の測定結果を発表した。周囲に比べて高い放射線量を検出したのは、福島市と郡山市、二本松市、本宮市、川俣町の計27カ所で、内訳は、問題の発端となった二本松市のマンションの1階室内をはじめ、民家の床下や駐車場などの住宅関係が22カ所、事務所室内や河川護岸、道路などの非住宅が5カ所。測定値の最高は、福島市の民家床下の毎時1.95マイクロシーベルトだった。3月末までに残り個所の調査を終える予定だ。問題の砕石は、福島第一原発事故で放射能汚染された同県浪江町の採石場から、昨年3月中旬-4月下旬に工事用として県内に出荷された。この採石場に残っていた砕石についても県などが測定したところ、1キログラム当たり最大21万4200ベクレルの放射性セシウムを検出した。同じ計画的避難区域内で操業する他の採石場に比べ突出して高かったという。
 「全容把握は困難」とは、「全容把握などしたくない」という意味だということを知っておきましょう。
 日本人にとって、放射能汚染の健康影響はコロナウイルスなどよりはるかに深刻です。今、政府は、致死性が極めて低いコロナウイルスに対し、役にも立たないマスク着用を半ば強制していますが、フクイチ事故の時は、「大丈夫」「ただちに健康に影響はない」ということで、マスク着用どころか、自主避難者を批判していたんでしたよね。2020.7.5

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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