「水曜デモ」と安保法制

  さて、韓国での最終日はたまたま水曜日。ということで、日本大使館前で行われている、慰安婦問題解決のための水曜デモに参加しました。私が参加することで多少でも人数が増えれば、と思っていたけど、行ってびっくり。大勢の人が大使館前の道路に座り込んでいて、身動きもできないほどでした。しかも全土から来ている。いつもはこの倍も集まるとのこと。


(写真は通訳の金さん提供、写っていませんが、画面の右側が日本大使館です)

 この日は今年一番の暑さ(台風一過で)のせいか、いつもより参加者は少なく、参加した元慰安婦のおばあさんも一人だけでした。でも、そのハルモニと「少女像」を取り囲んだ人たちはざっと300人以上、取材陣の数も多く、とにかくすごい熱気です。しかも大学生や高校生など、若者が多く、日本とは大違い。彼らはグループで決意表明したり、連帯の歌や踊りを披露したり、とても元気。発言も、きちんと勉強した上で、政治的解決と保障を求めており、韓国の市民運動の厚みと底力を感じました。

 私も2分間スピーチさせてもらいました。なんて言ったかって? 「慰安婦制度を生み出したのは皇軍、最高責任者である天皇の戦争責任を問うべき。それをやってこなかったから、安倍は戦争法制を成立させようとしている」てな感じでした。すると、集会後、若者のグループから「勇気をもらえた」という声がかかり、一緒に記念撮影。聞くと、ソウルからとても離れた地域の高校生だということです。この若さで、彼らは「歴史」を直視している。これも日本とは大違い。

 残念ながら16日には「安保法制」が衆院を通過しましたが、嫌韓、反中ブームをあおり、歴史をねじまげてばかりいる日本では、実際に「新たな戦争」にまきこまれざるを得ないでしょう。フクイチだけでなく(そこから目をそらすため)、また問題を抱え込もうとしている自公政権。市民が強くならないと、社会は変えられない。2015.7.18

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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