「原発のない社会」を「再エネ」社会と位置づける小泉

  国営放送が、こんな↓ニュースとも言えないニュースを流すのは、いまだにテレビやラジオをニュース源としている「情報弱者」向けプロパガンダです。「考える市民」なら、ネットを通じてオルタナティブの情報源をもち、こういうプロパガンダを見分けられるはずですね・・・というか、そうあってほしいと思うのですが。

小泉元首相 原発のない社会を 東京・国立市で講演

11月1日 22時14分 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141101/t10015883131000.html

小泉元総理大臣は、東京・国立市で講演し、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた作業計画が遅れる形で見直されることに関連して、「ひとたび事故が起きれば取り返しがつかない」と述べ、再生可能エネルギーの普及を進め、原発のない社会を実現すべきだという考えを重ねて示しました。この中で、小泉元総理大臣は、福島第一原発1号機の廃炉に向けた作業計画が遅れる形で見直されることに関連して、「除染も進まず、廃炉の工程も見直しとなった。原発を巡る人為的なミスや、技術的な故障はきりがなく、ひとたび事故が起きれば取り返しがつかない」と述べました。そのうえで、小泉氏は、「原発推進論者は、『再生可能エネルギーは、すぐに原発の代替エネルギーにはならない』と言うが、政府が普及に向けた支援を行えば、再生可能エネルギーの分野は広がる。実際、国内のすべての原発が停止されて以降、寒い冬や暑い夏も停電は起きておらず、『原発ゼロ』で平気だ」と述べ、再生可能エネルギーの普及を進め、原発のない社会を実現すべきだという考えを重ねて示しました。

 「原発ゼロ=再エネ推進」という構図です。再エネにはすでに膨大な交付金がつき、それが電気料金の上昇につながっているのに、「さらに支援を」? ふざけています。再エネが、結局は東電など電力会社を富ませるのを知らんのか。

 実は、これと全く同じことを、先だって台湾で行われたノーニュークス・アジアフォーラム(9月26~29)で経験しました。事務局が出した共同声明案は、台湾の「日の丸原発」の中止や阻止を求めるでもなく、とにかく、「再エネ要求書」といった感じ。しかも、中国にNPT加盟を求めるという不穏な内容で、ウラに日米政府がからんでいると睨んで、関係者の了解のもと、一からすべて書き直したのです。

 NNAF台湾事務局も、この「格調高い」書き直し文を承認し、それが29日の記者発表で読み上げられるはずでした。ところが、何者かが、その最終文書から、重要なポイントをすべて削除してしまったのです。削除されたのは:①原発メーカー訴訟のこと、➁NPT体制解体のこと、➂原発がもたらす差別と抑圧の構造をなくせ、④被曝労働者には相応の保障を行え・・・など。私も原告の「原発メーカー訴訟」を意識した、意図的な文書操作です。

 これがわかったのは帰国してからでしたが、NNAFジャパンの代表佐藤氏は、それでも足りず、「山本らが勝手に内容を書き換えた」というまったくのデマチラシをまき、さらに、そのことを自分のMLで拡散しているとのことです。つまり、彼らにとって重要なのは、「反原発」ではなく、「再エネ推進」だってこと。もっといえば、NNAFは、実は「反原発」を看板にした政府の下請け〈欧米では「フロントグループ」という)だ、ということを証明しているんですけどね。・・・反原発派はだまされるなよ、と言いたい。

 NNAFジャパンには謝罪と訂正を求めます。

2014.11.3

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/