PM2.5関東でも高濃度、でも東京のデータなし

  すごいなあ。日本は「PM2.5はすべて中国のせい」と言いたいのだろうか・・・いや、言ってる。その先頭にたっているのがマスメディアです。

PM2・5 関東でも高濃度、本格的な“東日本襲来”懸念 黄砂で増幅も
2013.3.8 06:52[公害・汚染]http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130308/dst13030806540000-n2.htm
 中国からの飛来が問題になっている微小粒子状物質「PM2・5」の大気中濃度が7日、埼玉県内で一時的に環境基準の2倍を超えるなど関東各地でやや高い濃度が観測された。気象庁は8日以降、中国からの黄砂が日本列島へ飛来すると予測しており、本格的な“東日本襲来”も懸念されている。一方、環境省が示した注意喚起の指針はあいまいで、自治体側からは「丸投げされても困る」との不満が噴出、対応が後手に回る恐れが出ている。埼玉県によると、幸手市で7日午後1時、1立方メートル当たり80マイクログラムを観測した。ただ、これは1時間ごとの参考値で1日平均ではないため注意喚起は見送られた。PM2・5の主な発生源は工場の煤煙や車の排ガス。特に今年の濃度上昇は中国からの越境汚染と、国内の工場や車による都市汚染の「複合汚染」とされる。埼玉県はこの日の濃度上昇を「風が弱かったため、都市汚染のPM2・5が滞留したのではないか」とみる。環境省は黄砂や風向きの影響により、今月末から5月ごろまで濃度が高めの状態が続く可能性があると分析している。
  ところが、環境省の対応が後手後手だ。6日に東京都内で全国の約120自治体を集めて開いた連絡会議では、外出自粛など注意喚起のため環境省が示した暫定指針の明確化を求める意見が自治体から相次いだ。暫定指針では、大気中のPM2・5濃度が1日平均で1立方メートル当たり70マイクログラムを超えると予測される場合、都道府県が住民へ注意喚起すると定めた。5日には熊本県がこの指針に従い全国で初めて注意喚起をした。 ただ、「70マイクログラム超」の予測は早朝の観測値に基づくとだけ示され、この日の埼玉県のように午後になって濃度が上がった場合の対応などは「自治体独自の判断で」と繰り返した。埼玉県の担当者は「指針が明確でなく独自の判断はできない。全て自治体任せで非常に困っている」と訴えた。

 簡単に言うと、幸手市で基準値を越すPM2.5が発生したけれど、短時間で、「やや高い」くらいだから、大丈夫、てなところでしょうか。これに「中国PM2.5」と環境省対応を混ぜ込んであるので、なにやら複雑な文面に。とにかく、PM2.5は何がなんでも中国のせいにしなければならないのです。でもね、この記事が怪しいのは、↓の図面から見ても明らか。

 なんと、東京都の部分がまっ白! 都が、がれきを燃やし続けて数ヶ月、さまざまな汚染物がしみこんだがれき焼却により、放射能を帯びたPM2.5が大量に発生しているはずですが、メディアは、この東京都の「白紙」について、何の説明もしていない。
 ちなみに、日本のPM2.5の環境基準(年平均で15マイクログラム/立米以下、かつ1日平均で35マイクログラム/立米以下)は、希望値であって、義務付けでさえありません。世界最悪のPM2.5発生国だった日本が、しぶしぶこの基準を作ったのだって2009年と遅い。日本はPM2.5から市民を守ろうという気持ちなどこれっぽっちもなく、それどころか、中国のPM2.5騒動を「天の助け」とし、すべてを中国のせいにしようとしているのです。2013.3.8

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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