Not My King–英で広がる王制廃止運動

 チャールズ国王の戴冠式を明日に控え、たくさんの「王制廃止」を求めるデモや集会が行われていることをご存じでしょうか。コロナ問題と再エネ推進がもたらした経済の落ち込み、二桁台のインフレ率、そして毎日1000人もの過剰死(コロナワクチンによる)、それにもかかわらず、政府は王室の維持に多額の税金を支出し、チャールズは巨額の個人資産を抱えながらグローバリストと共に市民支配の共謀にふけっているという構図(山本の個人的見解なので、お間違えないよう)に、国民が怒りの声をあげているのでしょう。

↓のアルジャジーラの動画は、イギリスで、今何が起きているかを短くまとめています。中でも、チャールズが国民と握手しているシーンでは、「納税者はお前に1億ポンドも払っているが、お前は何をしてるんだ」のような声が飛んでいます・・・日本では、こんなダイレクトな怒りを皇室にぶつけられる人がいるとは考えられない。

 イギリスが世界最大の帝国主義国家となったのは、東インド会社など国策の貿易会社を通じて途上国の資源を略奪し、弱小国政府と不平等条約や違法な売買・取引を行い(中国へのアヘン輸出など)、反対派を殺戮するという、植民地経営を行ってきたからです。・・・もともと病的な国であり、その病気の中心が王室。本来は、王室を解体して共和制に移行するという議論はもっと早く出てよかったのですが、国内問題やEU加盟脱退問題などがあり、なかなかきっかけがつかめなかった。しかし、今回は、普通の市民の運動の他に、大学生など若者の運動も起きていますが、こちらにはおそらくソロスなどの資金が流れているはず。彼らが「気候変動」や「Queersの権利」のような言葉を口にしているからです。

 その混乱に輪をかけているのが、世界最大のダイヤモンドといわれる「コイヌール」返還問題。これは英王室のロイヤル・ジュエリーとして、女王の王冠の中央に飾られる105カラットもあるダイヤモンドで、東インド会社から英王室に「贈られた」ことになっています。しかしインド人はそうは考えない。植民地の貴重品を奪うのは、帝国主義国家にとって当たり前の行為だから。なので、以後、何回もその帰属が問題になり、インド政府が正式に返還要請を出すなど、外交問題になっていますが、英王室はこれをずっと無視。でもここに来て、インド生まれのニュースキャスターが公然と返還を求める声をあげ、新たな論争が起きているようです。↓の動画がわかりやすい。

 この紛争を受けて、カミラ新女王はコイヌール使用を止めるとのことです。なお、コイヌールの所有権を主張しているのはインドだけでなく、歴史の一時期、それが帰属していたアフガニスタンとパキスタンも同じように返還を求めています。「戴冠式」の報道の裏に、植民地経営や帝国主義、支配層と被支配層、みたいなことも考えていただければ。2023.5.6

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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