JCOも放射性ごみを焼却!

  がれき広域処理は、各地でたまり続けている核のごみ(放射性廃棄物、原発解体ごみ等)もついでい全部燃やしちまえ、という隔された目的があります。それを証明するのが↓のニュース。
JCO:放射性廃棄物焼却炉建設で住民説明会 「なぜ住宅地に」/茨城
毎日新聞 2012年08月09日 地方版
 1999年に臨界事故を起こした東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO
)が8日、事故後に保管している低レベル放射性廃棄物を処理するための焼却炉を13年5月末までに設置し同年6月から試運転を開始する計画を明らかにした。同社で行った住民説明会で、村民や村議、周辺の水戸市民など約30人に説明した。計画によると、敷地内に保管しているドラム缶(200リットル)約8900本分の未処理の低レベル放射性廃棄物のうち、ウラン加工工場で使っていた油ドラム缶約500本(100立方メートル)と放射線管理区域内で使用したモップなどドラム缶約200本分を焼却する。7月末に文部科学省に使用変更許可を申請し、9月ごろに許可を受ける予定という。住民が「なぜ今建設するのか」とただしたのに対し、JCOは「ドラム缶が腐食し、いずれ漏れる恐れがある」と訴えた。また住民からは、事故当時のウラン加工施設の一部を利用して焼却することに「なぜ住宅地の真ん中に建てるのか」「施設があるだけで付近住民は緊張する」などの声が上がった。説明会がJCOから半径350メートルの住民にしか告知されなかったことに「数キロ範囲に伝える義務がある。住民感情を無視している」と憤る声も出た。http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20120809ddlk08040132000c.html
 許可直前、しかもわずか30人を前にした説明会では、JCOは説明責任など果たしていないに等しい。同社が、13年間保管し続けてきた低レベル放射線廃棄物(100Bq/kg以下)を焼却することにしたのは、がれき特措法と放射能汚染対処特措法という悪法にのっかったのでしょうが、これはダメ。この二法は、あくまでもフクイチから出た放射能に汚染されたものを対象にしているからです。
 それに、ドラム缶換算で廃油500本と廃棄物200本を焼却するだけのために、新しい焼却炉を作るというのは、コスト面から考えてもヘン。残りの8200本はどうするの?こういう場合、だいたい全量を燃やす気だ、と考えた方がいいでしょう。それに、他の地域のものも入ってくるはず。下はちょうど一年前のニュースですが、赤字部分をよくお読み下さい。がれき広域処理は、福島県のもの-高濃度放射性廃棄物-も対象にしているのです。
  放射能汚染がれき、福島県外で処分の方針 細野原発相
2011年8月13日
 細野豪志原発担当相は13日、東京電力福島第一原発周辺の放射能汚染がれきの処理について「福島県を廃棄物の最終処分場には絶対するべきではない。国として責任をもって処理していく」と述べ、政府主導により福島県外で処分に当たる方針を示した。訪問先の福島市内で記者団に語った。 細野氏はこの日、福島県側との会合に参加。菅直人首相が月内にも退陣する意向を明言したことに触れ、「災害対策は本来であれば絶対に途切れてはならない課題であり、こういう形になったことはおわびを申し上げたい」と陳謝した。 http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108130399.html
  311後、すべての規制が撤廃されているような状況だから、住民が沈黙していると、産官学共同体はどんなことだってやります。特に注意すべきは、新たな焼却炉や処分場の予定地、あるいはがれき受け入れを要請されている自治体。いったん受け入れたら、各地から核のごみが押し寄せることになるでしょう。だって、環境省は、「混ぜて燃やせ」と指示しているんだし、廃棄物には出身地なんか書いてないんだから。2012.8.20

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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