「広報よこはま 放射線特集号」(9月10日付け)のことはもうご存知かもしれません。横浜市が起用したのは、大物「御用学者」の唐木英明氏と井上登美夫氏の2人。彼らが言うには:
「(セシウム汚染の)基準を10倍超えた牛肉を62,5Kg以上食べると、5mSVになります。それでもがんになるリスクはほとんど増えません」(唐木氏)
「(規制値の)意味を誤解したり、目に見えず得体の知れない放射線への不安が強かったりしたために今回の騒動が起こったともいえます」(唐木氏)
「放射線の感受性が高いとされている小児においても、100mSV以下の被曝で、発がんする確立の変化について、明確なエビデンス(証拠)は得られていません」(井上氏)
「むしろ、心配・不安などによるストレスの方が、健康に影響するのではないかと懸念しています」(井上氏)
いまどき、「御用学者」の言葉を真に受ける人はいないでしょうが、1千万円以上かけたこの広報は、横浜市民のレベルにちゃんと合わせてあり、これで市民が怒らなかったら、そのままウソが通るというわけ。すでに、いくつもの市民団体が回収、訂正を求めていますが、それじゃ生ぬるいんで、市長責任を問い、リコールでもかけたらどうでしょう。だって、この広報の意味は、下のニュースと照らし合わせると、性格がはっきりするので。
高濃度セシウム、横浜市でも検出!首都圏は“総汚染”か
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110917/dms1109172234014-n1.htm 2011.9.17夕刊フジ
横浜市は17日、同市港北区大倉山の住宅街にある車道側溝の堆積物から、1キログラム当たり4万200ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。地上50センチの空間放射線量は毎時0.91マイクロシーベルトだった。 同市放射線対策部は「市が測定した中で最も高い値だが、健康に影響が出るレベルではない。どのような場所で高放射線量になるのか、把握していきたい」としている。 市によると、側溝は雨どいの下にあり、独自に調査した市民からの連絡を受けて調べ。このほか雨水がたまりやすい港北区内の植え込みなど3カ所でも、同1万1320~3万5千ベクレルが検出され、土砂など計13キログラムを管理施設に保管した。
この前の報道を合わせて読むと、横浜市が、市民から寄せられていた「高濃度」汚染の通報にすぐ応えず、時間をかせいできたのがわかります。もちろん関東全域の汚染もわかっているわけで、市はその事実を発表する前に、こういう大本営発表を流して、市民をだまそうとしているわけ。「大丈夫ですよ、心配要りませんから」って、誰がそんなもの信じる? でも、大都市の住民は、重要な問題ほど、「考えない」「直視しない」という態度をとりがち。行政はそれをよーく知っているのです。悪質な行政に対し、怒りの輪を広げ、行動に移さないと、御用学者はいつまでものさばるよ。2011.9.17
「広報よこはま」前文はこちら↓
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