鳥、魚の大量死 3 驚愕の事実

 鳥の大量死の原因のひとつは、アメリカ政府の「害鳥大量毒殺」だったことが明らかになりました。 
 それがわかったのは、南ダコタ州ヤンクトンの公園で約200羽のムクドリの死体が見つかったことから。一部は明らかに毒死していたため、人々が騒ぎ始めたころ、警察に、「実は私が毒を盛りました」という電話があったのです。農業省からでした。彼らは、「毒えさをまいたのは10マイルも南なのに、なぜここに来て死んだのか、わからない」と述べたそう。①
 同省は、さらにネブラスカ全州で、鳥の大量毒殺を実行したことを認めています。ある農民が、鳥のフンで飼料を汚されたのに怒って、鳥を殺してくれと泣きついてきたのがきっかけとされていますが、本当かどうか・・・とにかく、農業省は「農業の損害を防ぎ、人の健康を守るため」、DRC-1339 という毒物で、鳥を大量毒殺することにしたそう・・・② まるでSFみたいですが、市民が監視し続けない限り、政府という組織はこんなことだって平気でやるところなんです。
バイバイ、ブラックバード計画
 
農業省のデータを見ると、2009年だけでも、実に四百万羽のブラックバードが殺されています。けれどその表を見ると、殺されたのは鳥ばかりではない。プレーリードッグ、ウサギ、ラクーン、キツネなども「意図的に」殺害されています(「安楽死」と表現されていますが)③。
 ところが、今回の事件は氷山の一角でした。実はこの野生生物虐殺計画は1960年代に始まり、「バイバイ、ブラックバード」(スタンダードジャズのナンバーだ・・・)と呼ばれ、実行されていました。このプログラムは1960年代後半にはなぜかNASAに移され、以後、「経済的利益が侵された」と訴えれば、すぐ許可が出されるようになったそう。しかも、作業を行う民間企業は、報告も義務付けられていなかったようで、 「企業利益最優先」のアメリカならでは、です。
 「自然権」の上からも、こんなこと許されません。過去50年間に、こうして殺された動物たちは、いったいどれほどの数に上るのか。また、農業省はこの毒薬が「人畜には無害」などとあほなことを言っていますが、洗剤やシャンプーだって有害なのに、無害な毒薬があるものか。鳥の死体や排泄物は、自然界に撒き散らされ、結局、人の健康と社会をひどく傷つけることになります。こんな国が、他国を人権問題で非難するというのがちゃんちゃらおかしい。
 野生生物と人間の共存をかかげ、「ワイルドライフ・サービス」部門を設けている米農業省④の、裏の顔の恐ろしさにはさすがにショック。そして、毒が全身に回る前に、必死に巣に戻ろうとして力尽きた鳥たちがあわれです。アメリカ政府は、建国の最初から「コントロール志向」が強い国で、鳥に対する数量制限は、いつ「ヒト」に向ってもふしぎではありません。私はそれがすでに始まっていると思うのですが。
 なお、ここで紹介したのは、あくまでも一因に過ぎず、世界的な同時多発的「大量死」の原因はまだわかりません。中国では地磁気説などを否定しています⑤が、それだってまだ確定したわけではないのにご注意。動物たちの死は私たちに強く何事かを訴えかけています。2011.1.24
① http://www.ktiv.com/Global/story.asp?S=13865540
② http://www.naturalnews.com/031076_USDA_bird_deaths.html
③ http://www.aphis.usda.gov/wildlife_damage/prog_data/2009_prog_data/PDR
_G_FY09/Basic_Tables_PDR_G/Table_G_FY2009_Short.pdf

④ http://www.aphis.usda.gov/wildlife_damage/index.shtml
⑤ http://news.qq.com/a/20110122/001110.htm
http://www.bzxhw.com/2011-1/23/160-4461-45622.htm

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/