2020、今年もよろしく

 新年はアメリカによるイランの英雄虐殺という衝撃的な事件で明けました。

 これによって、同国で続いて昨秋からの市民の対米抗議活動には、はっきりした目標が見えてきました。それは、「米軍は出ていけ」であり、イラク国会も駐留アメリカ軍5200人全員を「国外追放する」との決議を採択しています。そして、その声は、そのほかのアラブ諸国にも広がることでしょう(…そもそもアメリカがスレイマニ将軍虐殺の口実とした「イランからの攻撃」自体がニセ旗作戦だと指摘されていますが、このニュースは日本では報道されないでしょう)。

 これに対し、米追従でしか生き延びられない安倍政権は、自衛隊をジブチ(日本軍の基地がある)に派遣しようとしているようですが、これは日本の経済界に大打撃を与えるのでは。それでなくても、日本は、第二次大戦を反省していない(慰安婦・強制労働問題)から始まって、アメリカの傀儡、アメリカお得意さん(医薬品、農薬、軍事兵器など帝国主義産業の引き受け手)など評判が悪い。最悪なのは、戦後70年にもなる今もなお、米軍を駐留させ、その費用をすべて負担しているほど自尊心のない国だということです。下のUSFのロゴも、アメリカが日本を支配下に置いていることを示しているのですが。

在日米軍(USFJ – United States Forces Japan) Wikiから

 米軍のイラク駐留は2003年からにすぎませんが、日本では敗戦以来70年以上、米軍がのさばっている。そして米軍基地及びその関連施設は東京の六本木から沖縄・北海道に及び、駐留米軍も計10万人ほどになります(軍人軍属など合わせ)。彼らの生活費はすべて日本国民もち。その結果、各地で米軍による事件・事故(オスプレイ墜落事故など)や、米兵による犯罪が後を絶ちませんが、下手人は罰せられることなく本国に送還されている。もっとひどいのは、国策の方向性もアメリカの意図を受けて決定されていること。治外法権は明治時代でさえ問題になり、多くの維新の志士が国家の独立を願って行動したのですが、今の日本は当時と比べ物にならないほど国家としての主権を奪われ、強固な占領体制の中にあるのです。

 でも、多くの人はその実態を知らず、「米軍出ていけ」の声もあがらない。それは日本人には「抵抗の伝統」がなく、そして負け癖がついているからでしょうね。・・・とても残念。

 でも、市民としては、この状況を多少でも改善すべく努力するしかありませんね。みなさんと一緒にがんばりましょう。

今年もよろしく。2020.1.8

 山本節子

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/