「サモア」の続きを書くつもりでしたが、新しいニュースが入ったので、こちらを先に紹介します。
アメリカ、ニュージャージー州では、ワクチン免除を制限する新法(NJ S2173 (18R))を成立させる予定でしたが、これに反対する広範な市民の圧力により、上院はその審議を中止、法案は一時棚上げになりました…市民の勝利です。
少し前から、ワクチン関係のサイトでは、しきりに「次はNJ州が危ない!」「私たちの権利をまもるために行動しよう!」「〇〇日、州議会前に集まって」などの呼びかけが行われていました。そして審議が行われる12月16日、州議会の前には子どもを含む大勢の市民が押しかけ、寒空の下、8時間にわたって法案審議に反対し、ドラムを叩き、「強制接種は憲法違反」、「子どもは学校に通う権利がある」「選択するのは市民の権利」などと声を上げ続けたのです。その結果、上院の審議入りは大幅に遅れ、もともと法案内容に乗り気ではなかった議員(特に共和党)の意見もあって審議入りを中止し、法案は不成立となったようです。
集会を企画した「インフォームドコンセント・アクション・ネットワーク」によれば、NJ州では14,000人以上が宗教的理由によるワクチン接種免除を受けているとのこと。同法案は、彼らの「信教の自由」を完全に否定するものですが、憲法違反が明らかな法案が上程されること自体がおかしい。アメリカの政治システムには深い闇があるのでしょうね。
なおこの法案、下院ではわずか20分の審議で、45対25(6人棄権)で可決されましたが、その審議でも、ワクチン推進派議員の発言に厳しい声が飛んでいたとか。
(州議会前の反対集会は10時間以上に及んだ)
今後、同法案は、NJ州議会の定例会が終わる1月13日前までに再提出すれば再審議となります。もしそれができなければ、次期定例会に出し直さなければならないとのこと。・・・本記事を読んで、アメリカではこの件で大騒ぎになっている、と思われる人もいるでしょう。でも実はそうではなく、メディアは「審議入り不能」のニュースこそ報道したけれど、議会前の大反対運動については何も報道していないとのこと。私の記事は、それをコツコツと報道する市民団体のニュースをもとにしていますが、「ファシズムの時代、事実を報道するのは英雄的行為である」という言葉を思い出します。2019.12.19