さて、赤穂産廃の事実上の事業者の大栄環境は、静岡県御前崎市でも巨大産廃計画を進めていますが、そこには大きな動きがありました。直接請求による住民投票条例が成立し、12月8日に行われた住民投票では反対票が九割に上り、市民側が圧勝したのです。
御前崎産廃 住民投票「民意示された」 請求の市民ら歓喜
(2019/12/9 17:00)静岡県内で初めて市民の直接請求で実現した御前崎市の産廃処理施設を巡る住民投票。8日の開票結果は「反対」が有効票の9割を占めた。施設を不安視し活動してきた市民団体のメンバーは「民意がはっきり示された」と喜びに沸いた。開票作業が行われた同日夜、同市門屋の公民館で住民投票条例の制定を直接請求した市民団体「住民投票で決める会」の会員ら約20人が集った。結果が届くと、祝いの巨大たい焼きを掲げて万歳三唱を繰り返した。2017年12月に建設計画が浮上後、見直しを求める市民団体が次々と発足。期日前投票の期間中は「決める会」を中心に街頭でプラカードを掲げ、街宣車4台を走らせるなど活発に運動した。阿形昭事務局長60は「予想をはるかに上回る反対票の数。多くの市民が危機感を抱いていたということ。市長と知事には結果を真摯に受け止めてほしい」と力を込めた。「決める会」は9日午前、県庁で施設の環境影響評価を担当する県生活環境課に慎重な対応を要請した後、記者会見した。柳沢重夫市長が事業者に撤退を要請する考えを示したことについて、中山啓司代表75は「ありがたい」と評価。「市長が土地の賃貸借契約を締結したことが問題の発端。市長には責任を持って民意を反映させる対応をしてほしい」と求めた。
■事業者 「広報活動続ける」
産廃処理施設の建設計画を進める事業者(神戸市)は9日、「市長から事業撤退の要請を直接受けていないので、回答は差し控える。今後も広報活動を続け、事業計画を進めていきたい」とコメントした。
この結果を受けて、柳沢重夫御前崎市長は川勝平太静岡県知事に会い、企業側に事業の撤退を要請する考えを示したのこと。それまで「態度がはっきりしない」などと批判されてきましたが、圧倒的な「民意」に押されて態度を変えたようです。
なお、知事も市長の訴えに答えたとのことで、こう↓述べています。
・・・有力市議らが誘致を主導したとされる建設計画については「市民不在の形で今日に至った。(投票結果は)非民主的なことに対する怒りだ」との見方を示した。
https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/715974.html
この「有力市議らの関与」については、市議会特別委員会でも大栄環境の幹部を参考人として招致するようですが、これを機会に同社がどのような手段で地元有力者を巻き込むか、反対派を黙らせるか、事前に計画を固めるかを明らかにしてほしい。
私は前記事で「こんな計画のウラには県がいる」と書きましたが、川勝知事の態度は井戸兵庫県知事や同じく産廃を推進している平井鳥取県知事とえらい違い。ぜひ計画撤回を実現してほしいもんです…そういえば、川勝氏は南アルプスを貫くリニア新幹線にも反対で、「妨害」と批判されている立場でした。 リニア問題で川勝知事「国をあげて対処を」: 日本経済新聞2019/12/06 – 静岡県の川勝知事は12月定例会で、リニアの県内着工に向けた国、JR東海との協議の枠組みが決まっていないことについて…
なお、御前崎産廃の件については本ブログでも何回か件をとりあげているので、ぜひこれ↓も読んでね。
御前崎の砂丘に巨大産廃施設 | WONDERFUL WORLD
2019/08/04 – 静岡県御前崎市で、大型の産廃焼却施設計画が進んでいます。それに反対する市民が、市に住民投票条例案の直接請求を提出し、議会はそれを審議中とのことですが・・・
2019/08/05 – 前記事の続き。御前崎産廃計画を検索していたら、「環境と子供の未来を守る女性の会」というサイトにぶつかりました。そこに書いてあることは、「大栄環境」の産廃事業に直面している人々には、いい参考になるはずです…
2019/12/15