今年の私は、自宅のことと赤穂市の処分場問題に追われましたが、ようやく一段落つきました。
赤穂処分場問題はなかなか深刻で、現地に行ってすぐ、これはかなりウラがある、「知事案件」だと実感しました。そこで担当課をまわって聞き取り調査する中で、偶然、井戸兵庫県知事が、事業について具体的に指示している発言が記録された文書(知事協議記録など)を発見したのです! なんと知事は、事業者の大栄環境を高評価さえしていました!…信じられん。
すぐにこの文書を公表するようアドバイスしましたが、一部活動家が公表を強く拒否し、反対団体にさえ見せようとしなかったため、「すぐ公表すべきだ!」という団体と相談し、最終的に12月12日、兵庫県庁で記者会見しました。
説明する山本
記者会見では二点にしぼって説明しました。「赤穂産廃」事件では、①井戸知事が法手続きが始まってもいないのに、実質的に事業について指示を出していた(着工を前提)、②その文書を正式に公開請求したところ、原文と似ても似つかない「偽造文書」を開示した、という二点です。この件では事業者が違法行為(違法伐採など)を行い、県がそれを黙認していたという実態までありましたが、それもこれも「知事案件」なればこそ。記者会見では、怒りに燃える地元の人に短いコメントを述べてもらい、私が事情を説明しました。会見にはTVカメラが並び、たくさんの若い記者が来てくれましたが・・・
住民が作成した「怒りのプラカード」
残念ながら、大手メディアはこの件を報道しませんでした。
ある程度、予想していたとはいえ、「知事の犯罪」の確たる証拠を前に、完全沈黙というのはさすがに異常です。
ところが、記者会見後の担当課との「談判」の中で、なんと二日前の12月10日、県側は今回の情報も「原文書」も入手していたことがわかりました(情報を漏らしたのは記者ではありません)。おそらく兵庫県知事は、この情報を得て、あわてて「報道自粛」のお願いに走ったのでしょう。
前線の記者の思いとは別に、日本のメディアと政治(特に行政組織)はくされ縁でつながっており、「事実」を伝えない体質がしみついています。このシステムは世界的に同じ。海外ではようやく、そこから抜け出そうという動きが出てきていますが、日本でも若い記者が率先して、「プロパガンダ記事」を廃し、「事実」を報道してほしいもんです。でないと、共犯関係にあるとみられるもんね。2019/12/15