日本では何も伝えられていませんが、昨年は「風車」へ逆風が強まった年でした。各地で風車建設が差し止められ、ドイツでさえ「エネルギー転換」の見直しが決まっただけでなく、各国の司法も風車の健康被害を認める判決を出しているのです。
下の『ハミルトン・スペクテーター』紙第一面の見出し「Pathway to Disease(病気への道)」、風車がもたらす被害(中でも不眠)が、さまざまな病気の引き金になっているという、オーストラリアの裁判所の言葉なのです。以下、この記事を元に解説。
原文はここ→(Australian court links wind turbine noise with possible diseases – Spec …)。
被害者の正しさが証明された:風車騒音は「病いへの道」
2018.2.28 Hamilton Spectato Natalie McGregor
昨年12月、世界で初めて、オーストラリアの行政控訴裁判所(AAT)は、風車が生み出す低周波音と超低周波音は病気に至る道であると宣言した。連邦裁判所の上席裁判官は、アデレードで開かれた公聴会で風車の健康影響を審査し、その結果、「騒音被害とある種の病気ーー高血圧や心血管疾病などーーの関係は確立されているが、その一部はおそらく(風車による)睡眠妨害や心理的ストレスで引き起こされている」との結論を出した。
その要約ーー関係する専門家は全員一致で支持ーーの中で、裁判所は、風車騒音が睡眠妨害の閾値とされている40dB(A)(デシベル、音の強さ)を超える例が無数に記録されていることを発見した。
「たとえ耳にはきこえなくても、低周波音、そして超低周波音は人体にそのほかの影響を与えているのだろう。それは聴覚を介して起きるものではないが、かといって、すべてがわかっているわけでもない」
「それらの影響には、船酔い状態やめまい、耳鳴りのような症状も含まれる」
また、現在、風力事業者が取り入れている測定方法(dBスケールA)は、被害の測定には適切ではないことも確証されている。なぜなら、風車が出す音のかなりの部分は低周波数域に属しているが、この測定方法では、音が出ている最中の低周波音の存在やそのピークを正確に同定できないのだ。それどころか、dBスケール(A)は音のレベルを平均化することで、被害をもたらす音の存在を隠してしまう(マスキング)のだ。しかし、このdBスケール(A)を重視するシステムが、あらゆる風車騒音のガイドラインの基礎とされている。そこで裁判所はー大半の専門家の支持を受けてー特定の場所で起きている音のレベルと種類を判断するには、その場所において実際に測定すべきであると認定した。裁判所は、結論として、WHO(世界保健機構)も「環境中の騒音にさらされた人々と、その健康被害の関係を示す大規模疫学調査に基づく十分な証拠」とするスタンスであることを示している。
ヴィクトリア州モインシャーのある住民は、風車ができてて以来、健康被害が続いていることを訴えた。
「耳ー特に内耳ーへの強い圧迫感があるの。頭への圧迫感と頭痛もあり、心臓も変。体中が熱をもって具合が悪いの」
「低周波の音源近くにいると、どんな場所にいても、すぐにこの症状が戻ってくるの。生易しいものではなく、本当に体力を奪われるのよ」(以下略)
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なお、記事の「dBスケール(A)」は、日本語では「A特性」といいます。音圧レベルを測定する時、音に含まれているさまざまな成分のうち、人間が「聞こえる」周波数(=可聴音)に補正を加えたものをA特性とよび、これを、あらゆる「騒音被害」の評価基準としています。もちろん、低周波音被害の存在を隠すための行政的作為。その結果、被害が起きているのだから、これは立派な犯罪(傷害罪)ですけどね、バックに強大な再エネマフィア(TEPCO含む)や再エネ信者がいるので、ウソも平気で通る(森友問題もそうです)。
どうぞ、上の事情を、行政自ら風車事業に乗り出そうとしている山形県や酒田市に伝えてください。この裁判事例を知った上で、なお事業から手を引かないとしたら、もう行政の看板を下ろすしかないですね~ 2018.311