「原自連」発足の記事を、新エネルギー新聞が伝えていました。この新聞社、「新エネルギーの普及をサポートし、持続可能な社会づくりに貢献」することを目的に、数年前にできた模様。もともと農業機械関係の新聞社が新エネに手を広げて、情報伝達の分野で「オールジャパン」の一端を担っているようです。
「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」発足 各地の運動の繋ぎ役に
2017/4/14 Web版オリジナル記事
脱原発や自然エネルギー導入促進を目指す全国組織「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(略称=原自連・げんじれん)が発足した。全国で個別に行われている脱原発や自然エネルギー推進の活動が集結・一致団結することで国民運動として展開すること、その国民運動の中で活動団体・個人がお互いに連携協力してゆくことを目指し、常設の事務局としている。
原自連の会長は城南信用金庫の相談役である吉原毅氏。そして顧問には、元内閣総理大臣である小泉純一郎氏、細川護煕氏が就任している。元衆議院議員の中川秀直氏、全国ご当地エネルギー協会会長/会津電力代表取締役の佐藤彌右衛門氏、ジャーナリストの鎌田慧氏、立教大学教授の香山リカ氏、環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長の飯田哲也氏、Abalance独立社外取締役の楠達史氏ほかの各氏がメンバーに名を連ねている。14日、都内で会見が行われた。その中で原自連の会長である吉原毅氏は「営農と太陽光発電を両立できるソーラーシェアリングのような方法もある。日本には自然エネルギーのポテンシャルがまだまだある。再エネ・分散型エネルギーによって、エネルギーの自給自足、地産地消を進めれば地域でお金が循環する。それが地方の過疎化への対応策にもなるはずだ」と発言した。幹事長・事務局長である、脱原発弁護団全国連絡会共同代表/ドキュメンタリー映画『日本と原発』シリーズの監督である河合弘之氏は「『脱原発』か『自然エネルギー推進』に賛同するか、だけが我々の参加条件。だから保守や革新といった区別はない」と発言。党派を超えた参加を呼びかけた。
顧問に就任した小泉純一郎氏は「脱原発については、10基稼働しているドイツより日本国内の事情のほうが先んじている。そもそも2011年3月11日の東日本大震災以降、(2013年9月の関西電力・大飯原発3/4号機停止から2015年8月の九州電力・川内原子力発電所1号機再稼働までの約2年間の)長きにわたって原発ゼロを経験した。あの震災を体験して以降、国民には、原発に対する根強い不信感と反発がうねりとなって渦巻いていると感じている。そうした国民の声に応え、助ける組織であってほしい。そして原発の代わりに自然エネルギーを導入し、自然エネルギーによる経済発展を促進できるような運動を展開したい」と語った。
発足したばかりの現在でも、全国で150もの反原発・自然エネルギー推進団体が賛同している。原自連では今後、講演会や映画上映の開催・支援など草の根の運動から展開し、賛同団体を増やしたい意向だ。
「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」メンバー(敬称略)
◆会長:吉原 毅(城南信用金庫相談役)
◆顧問:小泉 純一郎(元内閣総理大臣)/細川 護煕(元内閣総理大臣)
◆副会長:中川秀直(元自由民主党幹事長/元科学技術庁長官/原子力委員会委員長)/島田 晴雄(前千葉商科大学学長/慶應義塾大学名誉教授)/佐藤 彌右衛門(全国ご当地エネルギー協会会長/会津電力株式会社代表取締役)
◆幹事長・事務局長:河合 弘之(脱原発弁護団全国連絡会共同代表)
◆事務局次長:木村 結(東電株主代表訴訟事務局長)
◆幹事:鎌田 慧(ジャーナリスト)/佐々木 寛(新潟国際情報大学教授)/香山 リカ(立教大学教授)/三上 元(元静岡県湖西市長)/永戸 祐三(ワーカーズコープ理事長)
◆賛同人:飯田 哲也(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)/下村 満子(元朝日ジャーナル編集長)/海渡 雄一(脱原発弁護団全国連絡会共同代表)/金子 勝(慶應義塾大学教授)/福岡 正夫(慶應義塾大学名誉教授)/古川 亨(慶應義塾大学教授/元日本マイクロソフト会長)/原田 博夫(専修大学教授)/鹿嶋 春平太(明治学院大学名誉教授/宗教社会学者)/楠 達史(Abalance株式会社 独立社外取締役)/小宮 武夫(元三和銀行営業本部第一部長/元ブラデスコ投資銀行取締役/ウェルフェア株式会社代取締役)/福山 真劫(平和フォーラム共同代表)/柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」協賛企業
城南信用金庫/パルシステム生活協同組合連合/生活クラブ事業連合生活協同組合連合会/株式会社カタログハウス/ワーカーズコープ/パタゴニア日本支社/WWB株式会社/株式会社サンコー 他多数
「エネルギーの自給自足・・・それが地方の過疎化への対応策となる」
ウソです。過疎が進みます。今でも風車低周波によって、家にいられず、家を捨てて避難したり、不動産を売りたくても値がつかず、途方にくれたりしている人がたくさんいます。ドイツなどでは、そういう住民の不満を抑えるために「村ごと買い上げ」なんて事態になっていることも前記事で紹介しました。新エネ(自然エネ)はどれをとっても環境破壊と生物への被害を伴うのです。でも、設置される場所が人里離れた人口の少ないところが多いため、一般市民はその実態に気づいていません。それどころか、「脱原発」とセットで語られるため、「自然にやさしい」という幻想を持っている人がほとんど。
「自然エネ」はもともと「新エネ」と呼んでいましたが、名前を変えたおかげで幻想を刷り込むことに成功したんですね。さらに、上のような顔ぶれを揃え、さらに「風力無法地帯」や「太陽光無法事業」を拡大しようとしているので、今後は人口が多い地域でも建設が進んでいくことになるでしょう。なんと、各地の自然保護運動に助成金を出しているパタゴニアまで名前を連ねていました・・・もう買わんぞ。一方、たんぽぽ社には驚きません。いずれも予想のうち。日本の「反原発」の実態はこんなもんです。 2017.4.19