TPPを公開させたNZ市民の底力

 TPP問題の続き。この件は明確な「政治問題」なので、基本的には別ブログ南京だより

mirushakai.jugem.jp/で書きますが、環境・人権問題にも及んで来るのは必至なので、
時に応じてこちらにも書きます。
 今日、その別ブログで、現時点でTPP全文を公表したのはアメリカのシリア地上戦から目を
そらすためではないか、と書きましたが、実は、ニュージーランドでは、何ヶ月にもわたって
人々の強い抗議運動が続いており、それに押されて「時期を選んで発表した」ようです。

  上の写真は8月15日にオークランドで行われた反TPPデモ、真冬にもかかわらず1万
人が集まったとのこと。
出典⇒Thousands march against TPP trade agreement | Stuff.co.nz
 上のサイトには短い動画や写真もたくさんあるので、見てください。
 NZは私の好きな国のひとつ(一回しか行っていませんが、キャンピングカーを借
りて北島から南島まで旅しました)、あの優しくて、穏やかな人々が、これを公開さ
せたことに感動を覚えました。だって、TPP全文は、かのWikileakだって公開して
いないし(なぜか)、アメリカ政府はいまだに隠蔽したままだからです。市民はもち
ろん、政治家さえも内容を知らないのに、「合意」したとはまったく不可解ですが、
今後、安倍政権の閣僚や、これを根回しした官僚は、「背任罪」「国家転覆罪(こ
れはないけど)」を問われなければなりません。
 
NZのデモには若者が多く、彼らは「権利のために立ち上がれ(Stand up for
your right!)と歌い、「我々にはパワーがある!」「TPPよ去れ!」と叫んでいます。
デモには途中からネオナチのグループが参加しようとし、追い出されるという一幕も
あったようですが・・・
 反
TPPの組織は世界中に広がっていますが、日本は孤立してんじゃないかな。日本
でも労組や政党主導の運動ではなく、それこそ「市民の運動」が必要な時ですが、そ
れが生まれにくい政治風土があります。なんとかしないといけないけど。2015.11.10
 TPP条約全文はここ⇒
full text of the TPP here

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/