農薬、特にモンサントGMOやグリホサート禁止のニュースが大量に入っています。
まず、http://sustainablepulse.com/の「最新ニュース」の見出しを紹介しますが、グリホサートの商品名はラウンドアップ、日本では無制限にどこででも手に入り、何の規制もかけられていないことを頭に入れてお読みください。
- GMコットンは農家の収入を増やさない、オックスフォード大の調査でわかる(インド) GM Cotton Does Not Increase Profits for Indian Farmers – Oxford University Experts
どれも重みのあるニュースですが、中でも、スリランカがグリホサート即時全面禁止に踏み切ったのはビッグニュース。
世界で最も大量に使用されている農薬に「ノー」をつきつけたのは、就任まもないスリランカのスリセナ大統領。もともと農家でもあり、前健康大臣を務めていた彼は、農家の深刻な腎臓病の実態に胸を痛めていたのでしょう。北部では生産年齢人口の実に15%、約40万人が慢性腎臓病にかかり、毎年2万人がこの病気で亡くなっていることから、グリホサートが病気の原因であるとし、農家を保護するために全面禁止に踏み切ったようです。
実はスリランカは今年3月にも、いったんグリホサートを禁止していました。WHOの「グリホサートは発ガン物質かもしれないprobable human carcinogen」との発表を受けたものでしたが、5月に見直され(禁止解除)ていました。おそらくモンサントの逆襲があったのでしょう。しかし、その後行われた二つの科学研究two scientific studies
によって、閉鎖された井戸水からも、グリホサートを散布した農地からも、濃縮された農薬成分と重金属が検出され、それと慢性腎臓病の発症の関係(5倍)が裏付けられたのです。
貧困な発展途上国は、どこもグローバル企業によるモノカルチャー(換金用の単一作物耕作)が押し付けられており、農家はそのくびきから逃げ出すことができません。最初にグリホサート全面禁止したエルサルバドルEl Salvador’s decision in 2013も、腎臓病の蔓延がすさまじかったようです。がんや腎臓病をもたらす毒物の中で生きざるを得ない農家が、どれほど悲惨な状況に置かれているか、下の短い動画をご覧下さい。
Mystery in the Fields(スリランカ)、Cycle of Death (ニカラグア)
世界の国・地域が独立性を失い、一つの支配体制(グローバル化)を受け入れてしまうと、真っ先につぶされるのが農林水産業など一次産業。現実に農業分野のグローバル化は ほとんど完了しているし、今は通信・医療から教育分野までグローバル化が進んでいるため、市民の多くは、自分たちの置かれた状況も判断できない。ほんとに変革が必要なのですが。2015.6.11