柏市の指定廃棄物296トンを保管している千葉県営手賀沼終末処理場が、結局、「持ち帰って」とお願い。もともと放射性廃棄物の発生など想定されていなかった「廃棄物処理法」の、根本が問われています。
指定廃棄物「持ち帰り」伝達…松戸など3市に県
2014年10月15日 http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20141014-OYTNT50338.html 東京電力福島第一原発事故の影響で出た1キログラム当たり8000ベクレル超の放射性物質を含むごみ焼却灰(指定廃棄物)の処分問題で、県は、来年3月末までに国が最終処分場を県内に整備するのは困難と判断した。この判断を基に14日、県営手賀沼終末処理場(我孫子印西市)で一時保管している指定廃棄物について、排出元の松戸、柏、流山の3市に対し、同月末までに持ち帰るよう伝達した。県と関係5市の担当部長らが出席し、松戸市で開かれた会議で伝達された。
国は、県と松戸、柏、流山3市との一時保管に関する協定期限の来年3月末までに、県内に最終処分場1か所を整備する方針を示してきた。しかし、会議で県は、最終処分場の候補地提示に、しばらく時間がかかるとみられることに加え、候補地の詳細調査には半年前後を要することから、「今年度内の確保は困難と判断せざるを得ない」と説明した。今月3日、国に対し、最終処分場確保などに関する要望を行った結果を踏まえた。(中略)
指定廃棄物の処分問題で柏市は、最終処分場を来年3月までに国が整備できない場合、市内2か所の清掃工場で仮保管する案をまとめ、13日、2工場の周辺町会に対する説明会で明らかにした。参加者からは保管期間が未定であることから「永久保管場所になるのでは」などと不満の声が上がり、了承は得られなかった。柏市は13日、市立柏高校で北部CC周辺町会向けに、南部CCで周辺町会向けにそれぞれ説明会を開催。北部CCの敷地内に、南部CCと同じ鉄筋コンクリート製の仮保管庫を新設する方針を明らかにした。この仮保管庫には、同終末処理場の296トンのうち196トンを持ち帰り、北部CCで保管中の指定廃棄物も移動させたい、とした。終末処理場の残り100トンは、南部CC建屋内の地下で保管する案が示された。
市は、新設仮保管庫は密閉性や耐震性が高いと強調したが、説明会では特に北部CC周辺住民が激しく反発し、「クリーンセンターでの保管期限を決めないと納得できない」「他の地区でも順番に保管すべきだ」との意見が出た。秋山浩保市長が「クリーンセンターでは職員が24時間監視できる。一丸となり安全を守る」と繰り返し協力を求めたが、了承は受けられなかった。市は仮保管庫建設費などの対策費4億950万円を盛った補正予算案を、9月定例市議会で通過させた。仮保管庫は発注から完成まで3か月必要とされ、秋山市長は説明会後、「話し合いを続け、11月末までには最終決定したい」と話した。
環境中に出た放射能をどうするかという法律がないのに(作ることになっていたが、意図的に作って来なかった)、突然、「指定廃棄物」というカテゴリーを設け、市町村にそれを押し付けようというのがそもそも大間違い。政府としては、こうやって全国を「均等に」汚染し、福島の汚染を相対的に下げようということなんですが、常識的にはNGのこの方策を、プッシュしているのが業界と学界。
結局、頭脳明晰なトップがいる自治体は、がれきもお断り、汚染もお断り。「金目」で動く汚れたトップがいるところは、なんでもOK、で、地域の汚染が進むという寸法。市町村には放射性廃棄物を安全に管理・処理する能力はありません。柏市には、引取り分の296トンと、北部CC(船戸山高野)の298トン、南部CC(南増尾)の393トンを市中に戻すより、発生源近くに無人区を作って半永久的に管理するよう国に求めるしかないでしょう。2014.10.16