GSKのエボラ・ワクチン、9月に治験

  西アフリカのエボラの死者はすでに1500人以上。ここに来て、グラクソスミスクライン社(GSK,イギリス)が、9月半ばにはエボラ・ワクチンのヒトでの治験を始めると発表しました。あの、「サーバリックス」の開発企業です。

 GSKはアメリカ国立衛生研究所ワクチンリサーチセンターをパートナーに、すでにFDAのフェーズ1(動物と同様にヒトにも効くか、安全か、を確かめる段階)の承認を得ていますが、この治験のための資金は、ウェルカム・トラスト(医学研究などを支援する公益信託団体、 Wellcome Trust )、メディカル・リサーチカウンシル、イギリス国際開発省(Department for International Development (DFID))が拠出するそうで、オール・イングランドといった感じ。

 エボラ・ワクチンの開発競争には、これまでに、マップ・バイオファーマ、富士フイルム(「アビガン」のこと)、バイオクリストファーマ、テクミラ・ファーマ、そしてニューリンク社などが名前をあげていて、まさに戦国時代。なお、マップ社のZMappは、西アフリカからアメリカに転送された二人の感染者の治療に使われ、二人とも「奇跡的な回復を遂げた」と大きく報道されました。Ebola treatment of Kent Brantly, Nancy Writebol holds …

 どうやら、この「ワクチン」も「安全性が確認された」ということで、すかさず実用化されそうな勢いですが、問題は治験に参加するボランティアが見つかるかどうかです。GSKはイギリス、ガンビア、マリで60人ほどの希望者を募っていますが、エイズワクチンや子宮頚がんワクチンと同じように、本来なら病気のタネを植え付ける「予防接種」そのものが人道に反するんですけどね。ところが、殺人機関・WHOが「エボラワクチンは倫理的である」と発表したもんだから、一斉に開発競争が始まっています…嫌な感じ。

 GSKのワクチンは、伝染性のない単体のエボラウイルスタンパク質を用いて免疫反応を引き起こすなんて言ってますけど、サーバリックスだって「まったく安全」といいながら、何千人もの副反応を起こしている。それに、もっとも致死性が高いといわれているザイール株なんぞを使った場合、何が起きるか想像できるというもの。百歩譲って「安全なワクチン」ができたとして、誰がそんなもの打つものか(子宮頸がんもまったくこれと同じなんですけどね。よく考えてほしい)。2014.8.29

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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