市町村が焼却炉を輸出する?

  忘れないうちにこのニュースを。日本の市町村が海外にごみ焼却炉や下水道施設を輸出する? こんな信じられないことが起きようとしています。

政府、自治体のインフラ輸出支援を検討 経協インフラ戦略会議

2014/3/6
18:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL060U3_W4A300C1000000/

 政府は6日夕、首相官邸で経協インフラ戦略会議(議長・菅義偉官房長官)を開催した。菅官房長官は冒頭のあいさつで「世界的にみても都市化が進展し、上下水道や廃棄物処理施設など都市に必要なインフラ需要が拡大している」と指摘し、自治体のノウハウを活用した海外での事業拡大に期待感を示した。同会議では日本企業による海外でのインフラ事業の推進に向けた支援策などを検討。6日の会議では地方自治体による上下水道やごみ処理といったインフラ輸出の支援策について議論する。会議には麻生太郎副総理・財務・金融相や甘利明経済財政・再生相らが出席したほか、海外でインフラ受注の経験がある自治体から林文子・横浜市長や久元喜造・神戸市長が参加した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

 もちろん、ノウハウをもっているのは企業であって、自治体ではありません。それに、自治体の仕事に「インフラ輸出」なんてありません。自治事務でもなんでもないから。それなのにこんな話に発展しているのは、計画の背後に、市町村を乗っ取った企業軍が控えているからです。現在の自治体は、外部委託や指定管理者制度、外部団体への許認可権移譲などを通じて、ほぼ全面民営化に近い状態になっているのが原因。役場はすっかり企業の窓口と化しているから、市民の声など届かないのも当たり前なのですね。

 特に企業の食い込みが激しいのが環境行政。すさまじい悪政、「広域化計画」をきっかけに、企業が行政内部に入り込みました。典型的だったのが、福岡市や神戸、横浜、北九州市など、「エコタウン」とセットで「成功例」を海外に広げようと活動していた。しかし、日本の焼却炉を中心としたごみ処理システムは海外ではとても嫌われているため、企業軍は自治体を前面に出して、「環境技術=公害施設」輸出を拡大しようとしているわけです。おそらく、原発輸出ともセットになっているのでしょう。私も横浜株式会社を取材してみよう。22014.3.13

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/