次は「石見銀山」で有名な島根県大田市。自治会長会が同意書
(H21.04.01
読売新聞) という記事から始まります。
仁摩の処分場計画 自治会長会が同意書 反対住民「総意ではない」
平成21年4月1日 中国新聞 gomix.caferoman.com/archives/2009/04/h210401.php
建設の賛否で揺れる大田市の不燃ごみ処分場問題で、予定地のある仁摩町宅野地区の自治会長会は二十九日、市に同意書を提出した。市は新年度から事業を進める方針だが、反対する住民団体は「地元合意とは言えない」と反発している。同地区での会合で藤間照治会長が竹腰創一市長に同意書を提出した。環境配慮や地区振興策を求める要望書も添えた。市は「地元同意を得た。計画通り新年度から測量調査などを進めたい」(市民生活部)としている。計画をめぐり、自治会は一月から中立の立場で、今月十五日の市長出席の住民説明会後も藤間会長が「住民投票がよい」としていた。その後、「説明会での賛成の大拍手を受け、自治会で判断せざるを得ない」と転換し、採決で十四人の自治会長が全員賛成していた。識者を交えた候補地の再選定を求め、署名活動した「宅野の自然と生活環境を守る会」の山上光俊代表は「説明会出席は一部住民に過ぎず、自治会長会も住民説明せずに市に報告した。住民の総意ではない」と批判。今後も白紙撤回を求めていく方向だ。」
どうやらここでも自治会長が勝手に「同意書」を提出し、市はそれをもって「地元同意を得た」様子。これに対し、反対派は「大田の自然と生活環境を守る会」を結成し、対抗してきたようですが(ブログはこちら→http://gomix.caferoman.com/)、抵抗もむなしく、わずか四年後の2012年4月には着工を迎え、あっけなく敗北宣言↓を出しています。
「2008年(平成20年)末に持ち上がった「宅野のゴミ処分場建設」問題は、2012年4月、ついに大田市が建設に着工することで、環境や健康への影響を危惧する地元住民の反対の意志も押し潰されるかたちとなりました。皆様にはこの間、「宅野のゴミ処分場建設」問題に多大な関心を寄せていただき、私ども「大田の自然と生活環境を守る会」にも物心両面のあたたかいご支援をいただき、誠にありがとうございました。事業の是非を検証するために、大田市に文書公開を申請し、入手した資料も段ボール箱にいくつも溜まりました。しかし、行政の理不尽な進め方に最後まで反対すれども力及ばず、宅野に永遠に取り除けない巨大なゴミ処分場を建設させてしまいました。この期に及んでは、せめて宅野住民の中にもこの建設に異を唱える者があったこと、住民有志がいかに声をあげ、行政がそれにどのような対応をしてきたか、それを時系列で整理し、実際に目にして体験した事実のみを書き残しておこうと、拙いながらも一冊の本にまとめました。「宅野の海にダイオキシン」刊行について・・・」
この団体のHPには驚くような行政の行動がたくさん示されています…いやはや、ごみ問題となると、自治体がいかに簡単に犯罪組織に変質するか、の見本のようなものです。公務員の無知と企業との癒着がその原因であることが多いのですが、正直な市民はそこが見抜けない。
ところが、大田市では、なんと着工後にとんでもないスキャンダルが発覚!!
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大田市部長、懲戒免職 公金127万円着服、紛失 Web
産経 島根2012.7.27
02:36
島根県大田市は26日、公金約127万円を着服、紛失したとして、森山祐二市民生活部長(55)を懲戒免職処分にした。全額が返却されているとして刑事告発はしない方針。当時の上司ら5人についても、戒告などの処分とした。市によると、森山部長は産業振興部次長だった平成22年4月から23年3月にかけ、担当していた北の原別荘地の給水施設に関係する預金通帳から約49万円を引き出して着服。それとは別に運営費約78万円を紛失したが、放置していた。23年4月の人事異動後、後任者が不明金に気づいたが、「多忙のため書類を整理できていない」などとごまかしていた。今年6月に総務部が調査して発覚した。
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この市民生活部長氏、「着服した49万円は生活費として使った。78万円は自家用車内に保管していたが紛失した」と話しているそうですが、市は、それを「市の内部調査」の結果、追及しないことにしたのだから、のけぞります。守山市の懲戒免職のほかに、当時の上司ら5人が戒告処分を受けていますが、これって、単なる監督不行き届きのせいじゃないでしょう。だって、この森山氏こそ、宅野の処分場計画を推進し、着工に持ち込んだ当の責任者だったからです。守る会のブログには怒りに満ちた言葉がhttp://gomix.caferoman.com/index2.php:
(森山氏は)宅野のゴミ処分場建設計画を最終的に着工にまで持ち込んだ責任者です。
大田市の対応が異常ですね。「既に全額返済されているから刑事告発しない」とはどういうことでしょう。49万円は生活費に使ったが、78万円は紛失した?でも、返済されたから「お咎めなし」。そんなことが、社会常識として通用するのでしょうか。公金を日常の生活費として着服していたような輩が、 事業費41億円もの不燃物処分場建設の責任者として関わっていた訳です。これをどう理解すればいいのでしょう。
事を荒立てれば、腹が痛む関係者もたくさんあぶり出されるのかもしれません。
しかし、このように不祥事の一端が発覚してしまったわけですから、もはや身内の内部調査だけで事を済ませることなく、この際、外部の第三者を入れた徹底的な調査を行い、
大田市役所内に淀む腐った膿を、きれいに洗い流してほしいものです。
本来は市長が告発すべきですが、そうしないのはーー住民が感じているようにーー市の組織的腐敗を隠すためだといわれても仕方ないでしょう。廃棄物処理施設の建設には、もともと大金が動きます。この一件は、宅野の処分場建設に関して、行政には何らかの違法行為があったことを暗示していて、計画そのものの徹底調査が必要です。でもね、汚れた組織には自浄能力はないから、「きれいにしてほしい」ではなく、市民が先頭に立って、さっさと告発・監査請求・百条委員会などをやるしかないでしょう。ま、これからです。2012.12.2