広野町の森林火災、放射能も拡散

  福島県広野町の山林で2日午後に火災が発生、火はいわき市久之浜町まで拡大し、約10ヘクタールを焼いた後、21時間半後に鎮火したそうです。放射能汚染で二年間放置された山が、乾燥と強風で火災を起こしたのではないでしょうか。今後、この手の火災は続くはず。

住民の懸念、現実に 「防災態勢」急務 火災、帰宅増で高まる恐れ

 2日に広野町で発生した山林火災は、避難した住民の帰還が進んでいない地域の防災態勢再構築に向けた課題を浮き彫りにした。双葉郡8町村の団員数は東日本大震災前と大きく変わっていないが、県内外に避難しており活動できる団員は限られる。一方、双葉郡の避難町村の区域再編が今春相次ぎ、日中を中心に一時帰宅が増えることで火災発生の危険性は高まると懸念される。県は平成25年度から実態を把握するとともに支援策を検討するとしているが、速やかな対応が迫られそうだ。


■新たな敵
 「人家火災は何とか対応できる。心配なのは山林火災だ」。町村の担当者の多くが口をそろえる。 東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質は県土の7割を占める山林に降り注いだ。森林除染はほとんど進んでおらず、大規模な山林火災が起これば、大量の放射性物質が現場に舞い散ることになる。ある町村の担当者は、防護服や防護マスクの準備を急ぐ必要を指摘する。「震災前と同じようには活動できない。どのような状況なら消火活動が認められるのか基準をつくってほしい。不要なトラブルが起きる可能性は否定できない」と強調する。(後略)(2013/03/03
12:07
  
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/03/post_6412.html

 別の記事(http://www.minpo.jp/news/detail/201303046960には、「3日午後5時現在の火災現場近くの空間放射線量は、広野町大字折木字舘地内が毎時0・20マイクロシーベルト、いわき市末続集会所が同0・22マイクロシーベルトで、ともに火災発生前の1日午後5時現在と変わらなかった」とありますが、そんなはずないと思います。チェルノブイリでは、このような火災が放射性PMを拡散させ、消防士や住民を内部被ばくのリスクにさらしていたことが明らかにされているのだから。

 その後、チェルノブイリでは、何度も大規模森林火災が起き、立ち入り禁止ゾーンにモニター装置を設置するなど、火災とPM2.5の発生を監視するシステムを構築しています。ところが、日本ではわざわざ枯れ草に火をつけるというばかげた行為を、ほかならぬ行政がやろうとしている…渡良瀬のヨシ焼き、よしてよね。2013.3.4
  

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/